宇宙食と聞いて、みなさんはどのような食べ物を思い浮かべるでしょうか。流動食のような無機質で味気ないもの? それとも食欲をそそる美味しそうなもの?
これからご紹介するのは、海外サイト『dvice.com』に掲載されていた、半世紀に渡るNASA宇宙食の歴史を示した写真の数々です。50年の長き間宇宙食はどのような変貌を遂げ、また今後どのように発展するのでしょう。非常に興味深いですよね。
NASAのジョンソン宇宙センターには、『テストキッチン』『食品加工研究室』『食品包装研究室』『食品分析研究室』という、宇宙食に関する4つの研究室があります。そしてこれらを統合するのが、『宇宙食システム研究所』、通称『SFSL』です。
ここで「宇宙飛行士の食べ物は、栄養的に完全食でなければならない」という発想の元に作られた宇宙食はすべて、宇宙飛行士の方々が無事滞在を終えて健康に帰還することを約束してくれる食べ物であり、また同時に無重力状態という特殊な環境に適した食べ物でもあります。
それらの条件を満たすため、初期の宇宙食は「チューブ」「固形食」など、ビジュアル的には大変味気のないものばかり。しかし5年、10年と経つごとに、見た目も進化。70年代半ばにもなると、見て楽しいピクニックセットのような宇宙食が登場しています。
NASAは今後火星での長期滞在を目指しており、それに伴って宇宙食もさらにバージョンアップする予定。そのため『SFSL』は現在、新しい宇宙食の開発を進めているのだとか。
宇宙飛行士たちの健康を保つのはもちろんのこと、見た目にも食欲をそそる充実したメニューを作る。たとえば「アフリカ風サツマイモとピーナッツのスープ」に、米や鶏肉をトマトなどの野菜と合わせてスペイン風に調理した「スパニッシュライス」、デザートには「ピーナツバター・クッキー」といった具合に、ね。
眺めているだけで楽しい、NASAの宇宙食の数々。私たちが外国に行くような気分で宇宙に行く日もそう遠くはなくなった今、宇宙食も身近な存在になり得るかもしれない。そう考えると、なんだかワクワクしちゃいますねっ。
(文=田端あんじ)
参考元:nasa.gov(http://goo.gl/iAEoE )、dvice.com(http://goo.gl/G8SDb )
▼初期はチューブに固形食が主流
▼それから2年後、ビジュアルがちょっぴり進化しました
▼さらに経過すると、こんなに楽しげな雰囲気に! 可愛い!
▼現在はこのようなかたちに/メニューが充実し色もカラフルになりました