丸めたアルミホイルがキラキラ光っていてきれいに見えたり、消臭ビーズがプルプルつやつやしていて触りたくなったりしたことってありませんか?
日常生活の中って実はきれいだったり不思議だったりするものがいっぱい!
そんな感覚を思い起こさせてくれるアート展が、今、銀座の資生堂パーラーの地下、資生堂ギャラリーで行なわれています。
会場に入ると、真っ先に目に飛び込んでくるのが、キラキラ光る水たまり。よくよく見ると、小さなつぶつぶでできています。これ、実は消臭ビーズでできたインスタレーション。家庭で使われているような消臭ビーズを100キロも使って作られているのですって。
消臭ビーズは、時間とともに徐々に水分が飛び、小さくなっていきます。インスタレーションが始まった当初はプルップルだったビーズが、記者が取材にいった19日の段階ではだいぶ小さくなって、サラサラとした砂のようにも見えました。時間の経過がこうやって目に見えるのもおもしろく、不思議な気持ちになります。
作家のジョミ・キムさんは、手に入りやすい日用品を素材にした作品を数多く発表してきたそう。今回も、マスキングテープを使った作品や、髪の毛を編み込んだ櫛、木をかたどった髪の毛、美しい編み物のようなつけまつげのオブジェ、消臭ビーズで作ったネックレスなど、全部自分たちの身近にあるものからできているけれど「それをアートにしちゃう!?」と思う作品ばかり。
「私、つけまつげを二重に付けて、これに近い状態になったことがある!」などというように感想を持ちながら、気負わずに楽しんで良いと思います。そうやって作品と自分の生活や感覚との距離を狭めていくと、ジョミ・キムさんが見いだした美しさ、感覚のユニークさ、自分たちの思い込みなどに気付くことができると思います。
記者がひかれたのは、練り消しのような粘着材で数字を作り、日付として並べた作品。整然と並べられた日付を近づいてよく見ると、ちょっとした驚きがあるのです。それがどんな驚きか、どんな意味を持つのかは、実際に出かけてみて感じ取ってみてください。
資生堂ギャラリーのジョミ・キム展は28日まで。そんなに大きな展示スペースではないので、さらっと見に行くことができます。ランチタイムやミーティングの待ち時間などにふらっと気楽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■美術館情報
資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
TEL 03-3572-3901
開館時間:平日11:00~19:00 日曜・祝祭日11:00〜18:00
休館日:月曜日(月曜日が祝祭日に当たる場合も休館)
URL: http://group.shiseido.co.jp/gallery/exhibition/
(取材、写真、文=FelixSayaka/ 写真(上3つ目までの写真)=加藤健)
▼マスキングテープを使った作品。かわいい。
▼写真と、作品を交互に見ることでいろんな気付きがあります。
▼粘着材で数字を作り、日付として並べた作品。近づいてよく見てください。
▼アルミホイルを使った作品に込められたメッセージは「真実は幻想である」