まさかバナナの皮を食べることになろうとは……!! これまで捨てるだけだとばかり思っていたバナナの皮に、せっせと衣をつけて油で揚げる私(記者)。なんともフシギな気分でございますよ。
なんでも、台湾のある屋台でバナナの皮に衣を付け油で揚げたものが発売され地元で話題になっているという。台湾のことわざ「失恋したらバナナの皮を食べると良い」の真偽を知ろうとしたのか、台湾の研究者らがバナナの皮から鬱(ウツ)症状を抑えるセレトニンの抽出に成功したのだとか。
へー! バナナの皮でウツが抑制されるならば、毎日でも食べたくなっちゃうじゃないの。
だけど、問題は味ですよね。これまで捨ててたバナナの皮ってどんな味がするんだろうね。気になるじゃないの。バナナの皮を食べるためだけに台湾へ行くことはできないので、自分で作ってみることにしましたわ。
とはいえ、台湾の屋台で売られているという「バナナの皮に衣を付け油で揚げたもの」が、実際にはどういうものかはわからない。
フリッターみたいなのだろうか、それともフライだろうか、はたまた天ぷらか。悩んだ挙句、バナナといったらフリッターじゃないか、というよくわからない理由でフリッター風にしてみることにしたのだ。
【材料】
・熟したバナナの皮※1
(衣の材料)※2
・薄力粉…大さじ8
・片栗粉…小さじ2
・ベーキングパウダー…小さじ1
・サラダ油…小さじ1
・水…大さじ6
※1 屋台では熟したバナナを使用しているというので、皮の黒い斑点、いわゆるシュガースポットが増えるのを毎日首を長くして食べドキを待つことに。
※2 バナナの皮本来の風味を味わうために、塩などの調味料を入れていません。
【作り方】
1 まず、バナナの皮をしっかりと念入りに洗う。皮には防腐などのために薬剤が多量に使用されていることもあるので、とにかくしっかりと洗うべし。
2 バナナの皮を食べやすい大きさに切り、混ぜ合わせておいた衣に付ける。
3 油でカラリと揚げて完成。
フリッターを作ったつもりだったけれど、衣の量が少なくて一部天ぷらみたいになってしまったよ。まあ、そんなこと今はどうでも良いじゃないの。バナナの皮を食べることができればいいのだから!!
【実食】
火が通った皮は簡単に歯で噛み切れるほどに柔らかく、衣のサクサク食感と相まってなかなかの完成度。衣を多めに付けたものは、モチモチ感が出てスイーツを食べている感が増す。どちらにしてもこの柔らかさ、やはり「熟した皮」で正解なのかも。
風味は、渋みはほぼ感じられないけれど、ややピーマンのような苦味がほんのりと。そして、実にうっすらではありますが、バナナの甘い香りも漂ってくるような。とにかく想像以上に、“食べ物” として成り立っていて驚きです。
■なかなか好評だった
編集部のみんなにも食べてもらったら、「意外に旨い!」「ピーマンやナスの揚げ物に近い」「ほおおお!!」などなかなかの好評価。ふうん、バナナの皮め、やるじゃないの。
■チョコソースと一緒に♪
そうだ、バナナといったらチョコじゃないか、というこれまた適当な理由を付けてチョコソースを垂らしてみることに。合わないわけがないじゃないぃ! 見事にチョコバナナ!! もう完全にスイーツ!!!
■効果は?
食べてから数時間。気分はいたって普通。執筆の締め切りに追われて普段は超落ち気味の、記者の軟弱な精神が、たまたまかもしれないけれど実に普通です。普通って素晴らしい。普通ってサイコー!
これがバナナの皮効果だとしたらスゴイんだけどなぁ。そうとなったら、求む、無農薬バナナ! 求む、バナナの皮スイーツ!
(写真、文=メル凛子)