[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは人気シリーズ第二弾となる『ハンガー・ゲーム2』(12月27日公開)です。前作で、命がけのサバイバルゲームに優勝したカットニス。しかし、彼女の影響力を恐れた大統領が、カットニスを抹殺するゲームを仕掛けるという、前にもまして壮絶にな殺人ゲームを描くのが、新作『ハンガー・ゲーム2』です。
独裁国家パネムが毎年開催する「ハンガー・ゲーム」で優勝したカットニス(ジェニファー・ローレンス)が凱旋。彼女の雄姿は周囲に多大な影響を与え、国家に対する革命の動きを大統領陣営は不安視します。カットニスは危険人物であるとみなした大統領(ドナルド・サザーランド)は、第75回「ハンガー・ゲーム」を特別ルールで行うと発表。それはこれまでの優勝プレイヤーが出場して闘うというもの。当然カットニスも強制的に出場することになるのですが、そのゲームは、カットニスを抹殺するためのゲーム。以前より強敵相手に過酷な闘いを強いられるカットニスはどうする?
死を背中合わせの人生を生きるカットニスのドラマチックなサバイバルストーリーにロールプレイングゲームのような要素をプラスした本作は、強者ども相手に、知恵を絞り、味方と協力にしながら、命がけで闘うヒロインのたくましい生き様を浮き上がらせています。
カットニスの魅力は、闘い抜いて多くの人に勇気を与えたのに、また死闘に投げ込まれるという、勝っても地獄という状況の中でもしっかり立ち向かうところでしょう。凡人なら「なんで自分ばっかり」と暴れたくなりますが、絶望はしても前を向くヒロインだからこそ、闘えば闘うほどカリスマ性を増していくのです。
またジェニファー・ローレンスが入魂の演技。カットニスのカリスマ性は彼女の魅力に負うところも大きいです。ちなみにジェニファーは『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞主演女優賞受賞の2日後には、この映画の撮影のため、ハワイのジャングルでカットニスになっていたそうです。スター女優は栄光の余韻に浸る暇もないのですね……。
同名原作もベストセラーの『ハンガー・ゲーム』シリーズ。でもパート1が公開されたとき、ストーリーが『バトル・ロワイアル』(映画・深作 欣二監督/原作・高見広春著)に似ていると思っていた人は多く、アメリカ版『バトル・ロワイヤル』なんて言われていました。実は、海外では小説が出版されたときから、その類似点を突っ込まれていたようです。しかし、そんな悪い噂を吹き飛ばすほど『ハンガー・ゲーム』は独自性を増して大きくなっていきました。その人気は留まるところを知らず、テーマパーク建設の噂もあるほど!
もちろん第三弾の製作も決定しており、パート3は二部構成で製作されるとのこと。仰天の展開で『ハンガー・ゲーム2』は終わりますからね。未見の方は、DVDで第一弾を見た方がいいかもしれません。すでに見ている方は『ハンガー・ゲーム2』を見てエキサイトして、ワクワクしながら続編を待ちましょう!
(映画ライター=斎藤 香)
『ハンガー・ゲーム2』
2013年12月27日公開
監督: フランシス・ローレンス
出演: ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、
ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、レニー・クラヴィッツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジェフリー・ライト、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランドほか
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