以前当サイトでもご紹介した、ヒゲ&美貌が強烈な個性を放つオーストリアの歌姫(?)、コンチータ・ヴルストさん。その度肝を抜くビジュアルにより、またたく間にネット界の人気者になったことは、記憶に新しいですよねっ。
一応断っておきますが、ヴルストさんは女性ではなく「女装をしている」だけ、まぎれもなく男性です。しかし……彼女、いや彼を見て、多くのネット住民の頭の中に、あるひとりの女性の姿が思い浮かんでいたようなのであります。その人物とは、そう、薮内笹子(やぶうちささこ)!
ご存知ない方にはなんのこっちゃ、というかんじでしょうが、まあ最後まで聞いて下さいよ。薮内笹子とは、しりあがり寿さん著、漫画「ヒゲのOL薮内笹子」(竹書房)の主人公のこと。
笹子は女性。でもヒゲがある。フサフサ生えている。なぜなら彼女は、真実の愛が見つかるその時まで、ヒゲを剃らないと心に決めているから……。
冒頭からすでにぶっ飛ばしすぎているストーリー展開に、激しく惹きこまれる人多数。平成8年に発売された後じわじわとファンを獲得、知る人ぞ知る、名著なんですよぉ~。
ちなみに記者は、当時放送されていたPUFFY(パフィー)司会の深夜番組「パパパパパフィー」で同書を知りました。その衝撃たるや、高校生だった記者には受け止めきれないものがあったわ……。
ってなわけで本日は、漫画「ヒゲのOL薮内笹子」を知らないアナタへ、笹子に関する情報をちょびっとだけご紹介。これを読んだらもう、コンチータさんが笹子にしか見えないぞっ。いっそのこと、「薮内コンチータ笹子」って、よびたくなっちゃうかもだぞっ。
【マンガ「ヒゲのOL薮内笹子」とは?】
1. ヒゲを生やすきっかけとなったエピソードが、かなり重い
笹子がヒゲを生やし始めたのは、16歳の頃。実の父親に襲われるという事件がきっかけでした。それ以来彼女は、真実の愛を探し続けているのです。
2. 歌舞伎町の化け狸(たぬき)の情婦だった過去がある
危うくチンピラにヒゲを剃られそうになったところを助けてくれたのが、歌舞伎町の化け狸。要は、狸。その後しばらく、笹子は彼の情婦となった、らしいです。
3. いつもはトレンチコート1択、だけど合コン&デートにはエリザベス女王なみのドレスで参上
いつも心が寒いから、真夏だってトレンチコートを着込む笹子。でも真実の愛を見つけるチャンスが到来した際には一転、エリザベス女王なみのドレスに身を包むのです。たとえそこが、庶民的な居酒屋であろうとも!
4. ビビビときた男性を待つためなら野営だっていとわない
悲劇的偶然が重なり、真実の愛が芽生えるかもしれなかった男性がデートの待ち合わせに辿りつけなかったとき。笹子はまず飯盒(はんごう、キャンプで使う、アレですね)で米を炊き、最終的にはテントを設営。そう、真実の愛を見つけるためな、野営すらもいとわない、それが笹子なのです。
5. 笹子の幼なじみのトモコはハゲている(でもそれを指摘するのはタブー)
落ち武者ヘアのトモコ、東西南北どこからどう見ても間違いなくハゲていますが、それを指摘してはならんのです。友人を傷つける男はこっちからお断り! たとえ真実の愛だと、信じていた相手だったとしても……。
6. 成人男性型の人形と暮らしている
真実の愛にはそうそう出会えない、だけど寂しい夜もある。そんなときはお人形の「彼」とちょっとだけ戯れてから眠ることにしている笹子。リモコン操作で、お話もします。たまに自分の意思でしゃべることもあるけれど、笹子はそのことに気が付いていないの。
実の父に襲われるだの情婦だの、あげく最後のエピソードは軽くオカルト。でも基本的には、ギャグ漫画。「もうなにがなんだかわからないよおお!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、読んでみたくはなったでしょ? とにもかくにも、コンチータさんにビビビっときたあなたは、ぜひご一読あれ。
参考元:Amazon
撮影・執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼もうお気づきでしょうが、かなりシュールです☆