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空の密室でハラハラドキドキ! エンタメ要素すべてをぶっこんだ快作! 飛行機映画『フライト・ゲーム』【最新シネマ批評】

2014年9月5日

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、リーアム・ニーソン主演作『フライト・ゲーム』(9月6日公開)です。飛行機が舞台の映画って、なんでこう面白いのが多いんでしょうかね。この映画もサスペンスあり、アクションあり、ミステリーありというエンタメ要素がぎっしりつまった快作となっております!

【物語】

NY発ロンドン行きの旅客機の警備のため、客を装って乗機する航空保安官のビル(リーアム・ニーソン)。常に神経をとがらせて仕事している彼は、一息つくためにトイレでこっそり喫煙をすることも。この日も飛行機の離陸後、ビルはトイレで喫煙。そして席に戻ると、携帯に送信者不明のメールが届いていました。不審に思ったビルが「この回線への侵入は連邦犯罪だ」と返信すると、謎の送信元から「機内のトイレで喫煙するのは犯罪だ」とメールが。誰かが自分を見ている、この機内にいる誰かが……。そしてビルは「指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺す」という強迫メールを受け取ることに……。

【飛行機映画がおもしろい理由】

飛行機が舞台の映画がおもしろいのは、やはり密室だからでしょう。何しろ空の上ですからね、逃げ場がないわけです。海も危険がいっぱいですが、まだ海の方がわずかな望みがありますが、飛行機は機外に出てしまったら命がない。そのことを誰もがわかっているからこそスリリングだし、怖いのですね。この映画は、その密室状態の飛行機内に真犯人が潜んでおり、みんなが怪しいというのがミソ。「絶対に犯人じゃない」と言い切れる人が誰ひとりもいない。つまり主役であるビルが犯人である可能性だってあるわけです。

記者も推理しながら見ていましたよ。もしや「ビル?」「いやいや、パイロット?」とか、ハラハラしながら頭も使うという……。おそらく観客それぞれ推理しながら見ることになるでしょう。犯人は誰?という謎とともに、誰かが死ぬかもしれない恐怖も手伝って、最初から最後までドキドキしっぱなしです。

【闘う62歳!リーアム・ニーソン】

この映画をリードするリーアム・ニーソンは62歳ですが、このようなアクション映画でガンぶっぱなし、格闘をして、それが決まるのですから凄いです。まだまだおじいちゃんではない。現役の男感がバッチリ、フェロモンもバッチリってところが本当に素敵! しかし、この映画はリーアム・ニーソンでなくては演じられなかった役でもあるのです。

「こういうテンポが速くエネルギッシュな映画は、冒頭で登場人物のイメージを膨らませる時間があまりない。だから冒頭から観客の感情に訴えられる演技ができる俳優が必要なんだ。そういう意味でリーアムは不可欠な存在なんだよ」

と、ジャウマ・コレット=セラ監督。ちょっとしたしぐさや何気ない一言でその人となりを表現できる役者でないと説得力が持たせられない、そういう意味でもリーアム・ニーソンは適役だったわけですね。この映画のプロデューサーであるジョエル・シルヴァーはこう語っています。

「リーアムは逸材。素晴らしいキャリアを持った演技派なのに、人生の後半になって、ある日突然、アクションスターになったんだからね」

確かに。若い頃アクションスター、中年以降、演技力に磨きをかけて……という俳優が多い中、リーアム・ニーソンは逆ですからね、これって凄いことかも!

機内の人間が全員容疑者、誰が次に殺される?誰が真犯人? カップルで見てよし、友だち同士で見てもよし、推理したり、アクションを堪能したり、パニックにハラハラしたりと、あなたも搭乗者の気分になって『フライト・ゲーム』大いに楽しんでください!
執筆=斎藤香(c)Pouch

『フライト・ゲーム』
2014年9月6日公開
監督:ジャウマ・コレット=セラ 出演:リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、ルピタ・ニョンゴ、スクート・マクネイリーほか
(C)2014 TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S. – STUDIOCANAL S.A.

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