今年は残暑があまり厳しくないですね。袖に差しいる風に、秋の気配を感じます。あっという間にいなくなってしまった夏が、ちょっぴり名残惜しい……。
そこで今回は、夏の風物詩である金魚を用いた『アートアクアリウム展』に行ってまいりました。現在、東京は日本橋、愛知県は名古屋市で開催中です。
薄暗い照明の中で刻々と色を変えていくライト。それに照らされてひらひらと水中で舞う金魚たち。まるで魔法の世界に訪れたよう。来場した人々が、だんだん言葉少なになっていって、聞こえるのは幻想的な音楽と水の流れる音と、ため息。
展示されているのは、世界中で魚を用いたアートアクアリウム展を開催しているアートアクアリウム・プロデューサー、木村英智氏の作品群です。
会場に入るとまず、巨大な水槽にプロジェクションマッピングを投影した水中四季絵巻「The Four Seasons Aquarium」がはじまりました。日本の四季を表現した美しい3D映像の中で、錦鯉とその影がゆらめきます。
続く花瓶水槽「Flower2 Aquarium」は、フラワーアレンジメントとアクアリウムを融合した作品。花と水中世界という自然界の共演です。華やかな尾ひれをゆっくりと揺らしながら泳ぐ大きな金魚の存在感は、大振りの花に負けません。
額縁式のアートな日本画水槽「Zen Aquarium」では、横長の水槽が縦に3つ配置されています。赤・白・金……それぞれの水槽に小柄な金魚がチラチラと泳ぐさまは、本当に日本画のよう。
名古屋のアートアクアリウム展の目玉は、花魁/巨大金魚鉢「Oiran」です。高さ2.4mの巨大なガラスの金魚鉢には、約1000匹もの金魚。7色に変化していくライトの中で1000匹の金魚が艶やかに乱舞するさまは、まさしく、江戸の花街。
大きな水槽にところどころ三角形の覗き穴が埋め込まれているのは、万華鏡「Kaleidorium」。レンズのそばを金魚が泳ぐたびに、光と金魚の模様が変化し続ける、無限の美の世界。
ほっぺたがぷっくりふくらんでいたり、真っ白だったり……上からも横からも楽しめる円形の水盆では、見たことのないような珍種の金魚。なかには、ン十万の金魚もいるのだとか。
こちらのアートアクアリウム展、なんと写真撮影がOKなんです。(フラッシュの使用・動画の撮影は禁止)カメラ好きにはまたとないチャンス。一眼レフを手にした方々がたくさんいらっしゃいました。
会場外には、17時までは金魚カフェ、ナイトタイムは金魚バーに変わるドリンクスペースも。金魚をモチーフにしたドリンクやカクテルを楽しめます。
物販スペースでは、かわいい金魚の手ぬぐいや、金魚サイダー、金魚せんべいなんてのも! (金魚は入っていません)
水中をゆったりと妖艶に舞う金魚に心を奪われるアートアクアリウム展、日本橋では9月23日、名古屋では10月8日まで開催中。この連休はぜひ、光と金魚が織りなす夢の世界を旅してください!
しつこいようですが、本当に、本当に、ステキなんですよ! スマートフォンでの撮影でも、夢のような写真が撮れました。一部ご紹介しますので、ぜひご覧になってくださいね。
アートアクアリウム展 ~名古屋・金魚の雅~ &ナイトアクアリウム
期間:10月8日(水)まで
場所:テレピアホール
アートアクアリウム 2014 〜江戸・金魚の涼〜 &ナイトアクアリウム
期間:9月23日(火・祝)まで
場所:日本橋三井ホール
参照元=アートアクアリウム
取材・撮影・執筆=綾部 綾 (c)Pouch
▼ プロジェクションマッピングの映像は、障子から外を眺める風景。
▼ 夏、雷、月夜、紅葉、雪景色……
▼ 様々な水槽で優雅にひれをはためかす金魚たち
▼ 7色に浮かび上がる、花魁/巨大金魚鉢「Oiran」
▼ 万華鏡「Kaleidorium」
▼ 息をするのが精一杯になるくらい