「吉祥寺って、『オシャレな街』とか言われてますけど、街の景観は特にオシャレでも何でもないと思うんですよね。カフェなどのお店がオシャレなだけで。あと、井の頭公園っていうデートスポットの定番があるだけで」
上記は、自称オシャレカフェマニアの友人による多少偏見の混じったお言葉である。
その友人から、「すっごいオシャレなカフェ見つけたんですよ! チャイの専門店なんですけど、井の頭公園の入り口にあって、まさに吉祥寺のいいとこどりって感じなんです! 絶対に行くべきですよ!!」と、興奮気味に連絡が来た。
ということで! 吉祥寺といったら飲み屋にしか興味のない記者(私)ですが、「チャイ専門店」という攻めてる感に魅かれたため行ってみることにしました!
【インド風の店を想像していたら、まさかの!】
お店の名前は『チャイブレイク』。吉祥寺駅南口を出て『いせや総本店』を右手側に通り過ぎ、「井の頭恩賜公園」と書かれた立て看板のある下り坂に入ったところにあります。
壁にスプレーで落書きされた怪しい建物を見て「やっぱ汚ぇなこの街」などと思いながら少し進むと……あった!
「チャイのお店だからインドを意識した造りなのかな」と思っていましたが、外観はアンティーク調でカフェというよりもオシャレな雑貨店のよう。
店内は、入口のすぐ近くに茶葉などが購入できるスペースが広がり、
その奥に、カウンター席とテーブル席があります。
カウンター席にはスパイスが美しくディスプレイされていてとってもステキ。
【まずは一番人気のチャイを】
カウンター席に陣取った記者。さっそくチャイを注文しようとするも……
「オリジナルチャイ」「シナモン」「バニラ」「チャイフラッペ」など、その種類は10種類以上! 何を頼んだらいいのか迷ったすえ、一番人気らしい「オリジナルチャイ」を注文。6種類のスパイス(シナモン、カルダモン、ジンジャー、ナツメグ、クローヴ、ブラックペッパー)が入っているそうです。
注文後、すぐ鍋にお水と茶葉を入れ沸騰させる店員さん。立ち上る湯気が期待を煽ります!
その後、牛乳を投入し、専用の網に入れて濾すのですが、
すっごい力いっぱい絞ってる!! 一滴も落ちなくなるまでぎゅぎゅぎゅーーーっと! 「こうやって絞ることによって紅茶の味がしっかり出るんですよ」と店員さん。握力を聞きたくなるも記事には関係ないので黙る記者。
その後、驚きの光景を目にすることに!
肩よりも高い位置からチャイを器から器へそそぐ店員さん! その回数、左右交互で合わせて3回!! 「こうすることで空気が入り、まろやかな味わいになるんですよ」と店員さん。トルコのアイス伸ばすやつと同じ系統のアレですかと聞きたくなるもチャイと関係ないので黙る記者。(ちなみに、本場インドでは、この煎れ方が普通だそうです)
そして、記者の前に完全体となり現れた『オリジナルチャイ』。フォームミルクが乗せられ、ちょっとおめかし。だが、美しいものはやがて朽ちるのが世の常。フォームミルクとチャイを豪快に混ぜて頂きます!
うおおおお!!!!!! それぞれが主張しすぎず、しかししっかりと存在感を保っている6種類のスパイスを包み込む紅茶とミルク! 花を添えるような砂糖のほのかな甘み! これは絶品だ!!!!
【スパイスの入っていないチャイも注文】
あまりにも美味しかったので、スパイスの入っていないプレーンなチャイ(本場インドでは、ミルクティーもチャイと呼ぶそうです)である『煮出しミルクティー』を追加注文。煎れ方はスパイスチャイと同じです。ただ、フォームミルクと砂糖は入っていません。……ですが、「甘くした方が美味しいので」と言いながら店員さんが記者の前に差し出した煮出しミルクティーには……
ミルクティーのカップの半分くらいの大きさの入れ物に、これでもか! とお砂糖が!!
砂糖を全部入れたくなるも我慢。まずは、プレーンな『煮出しミルクティー』を頂きます!
丁寧で繊細な舌触りでありながらもコクがすごい! 一歩間違えれば「クドい」となりそうなところを、花嫁のまとうヴェールがごとく、特別な日の華やかさを厳かに演出する紅茶の風味! 嫌な渋味などもちろん皆無! これ、砂糖を入れたらどうなるんやと思いながら恐る恐る一さじの砂糖を混ぜて飲んでみたところ……うわあああああああああ!!!! 言葉にできない! どうやっても言葉にできない! 私が今まで飲んできた「ミルクティー」は何だったのか!!
【なんと、オリジナルの「サモサ」まである!】
意識がもうろうとしてきた記者。「チャイに合うように」と独自に生み出された『ベイクドサモサ』を注文。サモサは揚げて作られるのが普通なのですけれど、こちらのサモサはオーブンで焼いているとのこと。ダイエットにも良さそう!
上品に紙で包装されたサモサ。
「袋から出さずに食べてくださいね」と店員さん。
中身は鶏の胸肉とポテトです。では、頂きます!
これはまるで、サハラ砂漠にとつじょ現れたパリの街! 乾燥地帯の中のオシャレタウンは、外サクサク中シットリ!
サモサというよりパイのようです。中身の味は優しいけれどスパイスが香り、まさしくチャイとピッタリ。記者は、これ1つでお腹いっぱいになりました。
【まとめ】
休日は満員になることも多く、実はモーニングが一番人気。なんと、美味しいチャイがおかわり自由なんだそうです! 優雅な1日のスタートに、疲れた1日のラストに、いかがですか?
■ショップ・データ
店名:チャイブレイク (chai break)
TEL:0422-79-9071
住所:東京都武蔵野市御殿山1-3-2
営業時間: [月~金]9:00~19:00 [土・日・祝]8:00~19:00
定休日:火曜日(火曜が祝祭日の場合は水曜に振替)
■公式サイト:chai break
取材・執筆・撮影=シマヅ (c)Pouch
▼テイクアウトも可能です!