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東京の歓楽街も出てくるよ! ディズニーの新作アニメ『ベイマックス』フワフワの癒し系ロボットがほしくなる!【最新シネマ批評】

2014年12月19日

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、ディズニーの新作映画『ベイマックス』(2014年12月20日公開)です。東京国際映画祭でジョン・ラセター(製作総指揮)が来日したとき、この映画には日本への愛をいっぱい詰めたと言っていたけど、『ベイマックス』を見てしみじみ思いましたよ。ラセターの言葉にウソはなかったと。

主人公のヒロ、兄のタダシともに日本名のようだし、サンフランソウキョウという架空の都市はサンフランシスコ+東京だし。物語も素敵です。ベイマックスはホワホワしていてマシュマロみたいなロボットで癒し系の作品に見えるけど、実はこの映画アクションも凄いのですよ。かわいくて癒されて、そしてエキサイティング。そして映画を見終ったあと、誰もが思うのです。「ベイマックス、うちにも欲しい!」と!

【物語】

14歳のヒロは、兄のタダシと親代わりのキャスと暮らしています。ヒロは自作で最新鋭ロボットを作ることができる天才少年。彼はタダシの通う工科大学で教授をうならせる発明をして入学を許可されます。しかし、まもなくヒロは事故でタダシを失い、悲しみに暮れる日々を送ることに。そんなヒロを救ったのはベイマックス。ベイマックスはタダシが人の体を守るために作った癒しロボット。ヒロはベイマックスの存在で元気を取り戻していきますが、そんなとき、事故で消滅したはずのヒロの発明ロボットが、暴れ出して……。

【癒しロボット、ベイマックスの誕生秘話】

映画『ベイマックス』に登場するロボットは、あの『トランスフォーマー』とは対極にあるロボットです。見た通り、フワンフワンでぬいぐるみみたいですからね。ドン・ホール監督始めスタッフは、マサチューセッツ工科大学などの研究室でロボットをリサーチ。求めていたのは「思いやりがあってユニークで抱きしめたくなるロボット」。でも抱きしめたくなるロボットってあまりないわけで。そんなときカーネギーメロン大学でソフトロボット工学に出あい、それがベイマックスのヒントになったのです。

ベイマックスの顔はホール監督のアイデア。日本にリサーチに行ったとき、お寺で鈴を見た監督はピンときたとのこと。

「心を落ち着かせてくれる、これぞベイマックスの顔になるべきだ!」

と思ったそうです。なるほど、確かにベイマックスの顔、鈴ですね!

【サンフランソウキョウの秘密】

映画『ベイマックス』を見れば一目瞭然ですが、サンフランソウキョウはまさに東京のイメージ。ここは新橋、有楽町あたり? とか、これは歌舞伎町? とか思いますからね。ホール監督とクリス・ウィリアムズ監督は日本を徹底リサーチ。街並みから自動販売機、ショッピングモール、電車、いろんな東京の景色を映画に反映しています。

またヒロの家はサンフランシスコのヘイト・アシュベリー地区で見られるヴィクトリア様式の建物を参考にしています。まさに和洋折衷なサンフランソウキョウ! これまでハリウッド映画に出てくる日本は、和へのこだわりが強かったけど、この映画に限っては、和風というより、いまどきの東京が表現されている印象が強いです。

【癒すことで闘えるのか?】

映画『ベイマックス』は、ヒロシとタダシの兄弟愛、仲間たちとの友情と絆が感動的。またスリリングでスピーディなアクションも楽しいのですが、この映画が本当に語りたいのは、平和かもしれません。ベイマックスは人間の体をケアしてくれるロボットで戦闘能力はゼロです。でもヒロシは攻撃してくる敵に対して、目には目を歯には歯をと闘うことを選び、そんなヒロシの暴走にベイマックスはとまどいます。見ているこちらも最初は「行け~」と思うものの、ベイマックスの闘わないというスタンスにハッと我に返ります。傷つけあって解決するよりも、もっと平和的な解決の糸口を見つけるべきじゃないのかと。

映画『ベイマックス』は今こそ見る映画です。癒しロボットのベイマックスを通して、傷つけあわない、闘わない勇気を持つことの大切さを感じてください。

執筆=斎藤香(c)Pouch

『ベイマックス』
2014年12月20日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
声の出演:スコット・アツィット、ライアン・ポッター、T・J・ミラー、ジェイミー・チャンほか
(C)2014 Disney. All Rights Reserved.

▼こちらは鉄拳さんのパラパラ漫画

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