大正時代から昭和初期にかけてのレトロな雰囲気が大好きという皆さん。当時子ども向けの童話雑誌として圧倒的な人気を誇っていた「コドモノクニ」をご存じですか?
子ども向けといえども、竹久夢二や北原白秋、野口雨情など日本を代表する一流の画家や文学者が集結。美術・文学・音楽が融合するアート性の高い雑誌として高い評価を得たそうです。
そんな「コドモノクニ」について、著作権処理を行いデジタル画像等を作成したデータベースサイトを今回はご紹介! さーて、いったいどんな作品が見れるんでしょうか!?
【竹久夢二の「火事と夜明」】
竹久夢二と聞くと、アンニュイな感じの女性ばっかり描いているイメージがある人もいることでしょう。けれど、さすが商業デザイナーでもある夢二。この雑誌では子ども向けの愛嬌あふれる絵、あたたかみある絵を披露しています。たとえば「家事と夜明」という作品では顔がカラス、体は洋装の男性という鳥人間のイラストが。詩の部分も担当しており、「ゆめ、たけひさ」なる名前が記されています。
【北原白秋は童謡顧問】
北原白秋といえば、「待ちぼうけ」や「この道」「ゆりかごのうた」など童謡の作詞で有名な詩人。ということで、「コドモノクニ」では童謡顧問として数多くの作品を発表しています。たとえば「ふとれよ、ふとれ」という童謡作品。これは七面鳥に「クリスマスまでによーく太れ」と語りかけてるような歌詞なんですが、大正15年にクリスマスがここまで一般的なものになっていたことにビックリ。挿絵はこれまた有名画家の武井武雄が担当。サンタやクリスマスツリーのイラストがあったり「A MERRY X’MAS」の文字があったりと、感覚的には今のクリスマスと変わらないような感じがします。このように当時の文化や風俗が垣間見れるのも面白いところ。
……と、こうして見ていると興味が尽きず、いつまでも楽しんでいられそう! 全部で4550件もの作品が公開されているとのことで、データベースとしてはかなりの充実ぶりで見ごたえじゅうぶん。皆さんもぜひサイトをチェックして、その時代の雰囲気を感じ取ってみて。
参照元:「コドモノクニ」データベース
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch
▼戦時中はこんなページも
▼このテイスト、今もありそうじゃないですか?
▼どの絵もすごく丁寧に描かれています。一種の芸術総合雑誌というのにも納得