「今年来るぞ~」と大注目を浴びているスイーツ、「フローズンスモア」。
焦げ目のついたアツアツのマシュマロから、意表をついて飛び出すアイスクリーム。見ているだけで血糖値もテンションも上がりそうなその姿に心奪われ、日本での発売を待ちわびていた筆者ですが、ある晩、「今すぐ食べたい」という気持ちを抑えきれなくなてしまったのです。
しかし、フローズンスモアが生まれたニューヨークに向かうわけにもいかず……「自分で作るしかない!」そう意を決した筆者は、材料を買いに深夜のコンビニへ走ったのであります!!
【まずはおさらい】
必要な材料を見きわめるため、フローズンスモアがどんなスイーツか、おさらいしておきましょう。
形も大きさも、四角いアイスバーのような、このお菓子。外側は、ガスバーナーで色よく焦げ目をつけたマシュマロになっており、内側にチョコレートに包まれたアイスクリームが閉じ込められているとのこと。ということは、このスイーツを作るには、マシュマロとチョコレートが乗ったアイスクリームがあればいいのですね!
【深夜2時、板チョコアイスを購入】
早速、24時間営業しているコンビニへと向かいます。こんな時間に来店し、アイスを物色する様子は異様だったのでしょうか。顔見知りの店員がめんくらっている気配を感じますが、そこはかまわず「板チョコアイス」なるものを購入。平らなチョコレートアイスの間にバニラアイスがサンドされたこちらの商品と、元より家にあったハート型のマシュマロを使ってみようと思います。
【かわいいけれど、物足りない】
本家フローズンスモアにならい、マシュマロに串をさして火で炙るスタイルに挑戦してみます。
お弁当作りに使う抜き型でマシュマロに穴を開け、ちょうどよい大きさに刻んだ板チョコアイスを入れます。
これにくり抜いたマシュマロを二等分にしたもので蓋をして、ガスコンロの火にかざして焦げ目をつければ、ハート型が可愛らしいフローズンスモアのできあがり!!
でも……何かが物足りない。アイスクリームが、マシュマロと区別する間もないほど、あっけなく口の中で消えてしまうのです。これでは、「きっとアイスを添えたホットアップルパイやコーヒーアフォガートのように絶妙なんだろうな」と期待していた、熱いマシュマロとのコラボレーションが堪能できないじゃないですか!
【深夜4時、ピノを購入】
あぁ、高野豆腐サイズのマシュマロがあれば、板チョコアイスを切らずにくるんで解決するのにな。そんなの売っていないよね。
ブツブツとつぶやきながら、再び深夜のコンビニへと舞い戻る筆者。深夜、それも二度目の来店を受け、明らかに店員が訝しげな表情を浮かべていますが、恥をしのんで会計を済ませます。「物足りない」と言いながら、アイスもマシュマロもほとんど食べ尽くしてしまったため、おなじみのアイスクリーム「ピノ」と、オーソドックスな筒型のマシュマロを購入しました。
【すべてが中途半端】
今度は、ピノを丸ごと使用します。アルミホイル皿に短く切ったマシュマロを敷き詰め、その真ん中にピノ、さらにその上にマシュマロをかぶせていきます。これを焼けば、マシュマロが溶けて、互いにくっつき、大きなマシュマロの塊ができるはず!
しかし、ガスコンロの魚焼きグリルで仕上げた「フローズンスモアなの? 2号」は、何もかもが中途半端だったのでした。トップのマシュマロが黒く焦げている一方で、側面は生焼け。それでも、側面が焼けるのを待ってしまったために、中のアイスが溶け、温まってしまっているのです。見た目もスイーツというより、白子みたいで、失格。
そして、気づきました。ピノでもアイスの量が足りません。
【早朝6時、正解のアイスを購入】
ピノ包囲作戦での反省点をふまえ、またしてもコンビニへ向かう筆者。昨夜からまだシフトが代わっていない店員の姿にビクつきながらも、入店します。ええ、これで最後ですとも。正解がわかりましたよ!
購入したのは、カップアイス。バニラアイスクリームの上にキューブ状の生チョコがちりばめられています。
この中身を手持ちのココットに入るだけ移し、マシュマロでおおいます。
今回も魚焼きグリルで焦げ目をつけます。マシュマロの層が平面になるように配置したため、短時間で、ほぼ均等に焦げ目がつきました。
食べてみると……中のアイスはたっぷり、そして、冷たいまま! うまーく溶けたマシュマロとからみあっています! これだぁ! きっとフローズンスモアってこんな味なんだぁ!!
【改めて、フローズンスモアの発売に期待】
甘い甘いフローズンスモア。徹夜で疲れた筆者には、これくらいの甘さ、ちょうどいいのですが、やはり市販品で作ると、甘党でない方にはキツイかもしれませんね。
フローズンスモアの生みの親である「ドミニク・アンセル・ベーカリー(Dominique Ansel Bakery)」は、この春、東京・表参道にオープンするとのこと。プロの作るフローズンスモアは、きっとマシュマロの甘さに合わせて、アイスクリームの味を加減していることでしょう。筆者が今回、放棄してしまった串刺しスタイルで食べられるのも魅力的。開店が、待ち遠しいですね!!
執筆・料理・撮影=大井たま (c)Pouch