『婦人画像』といえば、時間やお金に余裕のあるちょいとセレブな奥様方が読みそうな月刊誌。現存する日本最古の女性誌であり、今年7月でいよいよ創刊110周年を迎えるそう!
そこで6月1日発売の7月号では「110周年記念号」として、1905年発刊の創刊号完全復刻版が特別付録につくのだとか。110年前の雑誌を一冊丸ごと読める……いったいどんな内容なのかワクワクしちゃいますね!!
【初代編集長は国木田独歩】
『婦人画報』の初代編集長は作家の国木田独歩。文学史では自然主義文学の先駆者として名を残していますが、実は編集者としての手腕も見事なものだったそうで、『婦人画報』でも当時の常識をくつがえすセンセーショナルな企画の数々を打ち出しています。
【当時はなかなかパンキッシュな雑誌だった……?】
たとえば創刊号では、そのころは門外不出であった華族女学校(現・学習院女子中・高等科)の運動会の様子を、巻頭グラビアのトップで紹介したり。また、「離婚は女の恥」とされたこの時代に、「徒(いたずら)に恐縮せぬ様」と励ましの原稿が寄稿されたり。女性の自立や、女性が世界へ目を向けることを促すメッセージが多く残されているんです。
【中原中也や金子みすゞはここからデビュー】
しかも、大正・昭和を代表する詩人、中原中也や金子みすゞのデビューは『婦人画報』の読者投稿欄だったり、リアリズム写真の巨匠・土門拳が取材カメラマンとして撮影していたり。今も日本の文化史にさん然と輝くトップランナーたちがこの雑誌とともに歩んできたというからスゴい!
110年前の『婦人画報』は、そして日本女性たちはどうであったか? その読み解きを楽しめる『婦人画報』110周年記念号。ぜひ皆さんも手にとって、当時のはつらつとした大和撫子たちの姿をご覧あれ。後日、Pouchでもこちらのレビューをできればと思いますのでお楽しみに!
参照元:婦人画報(ハースト婦人画報社)、@PressNews
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch
▼『婦人画報』7月号表紙。誌面では創刊号についての特集も実施
▼付録「創刊号完全復刻版」中身
▼付録「創刊号完全復刻版」表紙