右半分と左半分、人間と動物それぞれの顔が一体化した作品、「Faces Of The Wild」。
米L.A.を拠点に活動する写真家デヴィン・ミッチェル(Devin Mitchell)さんが手掛けた同作は、しんとした静けさと透明感、それでいて、見る者の心を射るような鋭い目つきが、印象的。
なにより動物と人間の顔が融合したビジュアル、そのインパクトの大きさがすさまじく、否が応にも視線を奪われずにはいられません。
【檻の中で生きる動物たちからインスパイア】
ミッチェルさん曰く、昨年3月にスタートさせたという同プロジェクトのインスピレーションのもとは、 “檻の中で飼育されている動物たち” 。
【作品はフォトショップによって合成・加工されています】
動物園で生きる彼らを目にし、そこに「精神的苦悶」をみたというミッチェルさんは、その声を代弁すべく、このたびのポートレート作品の制作に着手。人間と動物の写真をあらかじめ、撮影しておき、それらをフォトショップによって合成・加工、美しくミステリアスな同作を完成させているんですって。
【「動物たちは行動範囲を制限されることなく生きるべき」】
動物たちは本来、フェンスのない場所で、範囲を制限されることなく、自由に生きるべきである。そう考えたミッチェルさんは、社会に問題提起すべく、現在クラウドファウンディングサイト「Kickstarter」にて、写真集制作にむけて出資者を募っている模様。
【答えの出ない問題を提起する】
もちろん、動物たち自身が「檻の中で生きる」ことに対しどう考えているのか、その真意は誰も知り得ません。そしてこの先もおそらく、知ることはないのだと思います。
答えの出ない問題にフィーチャーした同作は大変興味深く、また芸術作品としても非常に美しい。あらゆる側面において必見な「Faces Of The Wild」、その全貌を目にしたとき、あなたはなにを思うでしょうか。
参照元:Kickstarter
執筆=田端あんじ (c)Pouch