使い古され、打ち捨てられたものには、なぜあんなにも底知れぬ魅力があるのでしょうか。
たとえば、廃車。錆つき、汚れ、やがては植物に覆い隠されてしまう “元・車” たち。しかしながら圧倒的存在感を放つこれらに注目したのが、ドイツのフォトグラファーのディーター・クライン(Dieter Klein)さんです。
【森の中に突如現れた “自動車の墓地” 】
ジャガーにフォルクス・ワーゲンなど、すっかり生気を失ったヴィンテージ・カーがずらりと並ぶその光景は、まるで自動車の墓地のよう。
【強力な吸引力を持つ作品群】
かつて高級車として大切にされていたであろう車、持ち主とともに思い出をたくさん紡いできたであろう車。それぞれの背景を想像し得るからこそ、その姿をとらえた写真に、私たちは強烈に惹きつけられてしまうのかもしれません。
【砂や苔に覆われた姿もまた美しい】
また完全に人工物である車と自然が、見事に溶け合い混ざりあっている様も興味深いところ。うっそうとした森の中でひっそりと朽ち果て、やがてオブジェと化してゆく。砂や苔にまみれた姿もまた美しく感じられるその光景は、ほんのり切なく悲しくって、いつまでも眺めていたくなってしまうのよね……。
【神秘的な世界観にどっぷり浸ってみて】
始まりと終わり、生と死の香りが漂う、神秘的な作品群は必見。「フォレスト・パンク(Forest Punk)」と名付けられた哀愁に満ちたその姿を、ぜひ彼のウェブサイトを通して覗いてみてくださいね。
参照元: Dieter Klein
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼異世界に迷い込んでしまったかのよう……