人を笑わせ、考えさせた研究に与えられる「イグ・ノーベル賞」が、今年も発表されましたよぉ!
アメリカの科学雑誌が主催する同賞には、物理学賞・文学賞・医学賞などなど、10の部門が設けられており、毎年ハーバード大学のサンダーズ・シアターで授賞式が行われています。
ちょっぴり風変わりな研究を行った個人やグループに贈られるという、「イグ・ノーベル賞」。気になる本年度受賞者の顔ぶれを、さっそくご覧いただくことにいたしましょう!
【2015年受賞内容一覧】
物理学賞:
「すべての哺乳類は、21秒で膀胱を空にすることができる」
文学賞:
「 “はあ?” に相当する感嘆詞はあらゆる言語に存在することを発見」
生物学賞:
「ニワトリに人工的しっぽを付けると恐竜のような歩き方になることを発見」
化学賞:
「半熟卵を化学的に作る方法の確立」
経営学賞:
「子供時代に災害を経験したがネガティブな結果にならなかった経営者は、リスクを取りにいく傾向がある」
経済学賞:
「賄賂を拒否した警察官に対し、ボーナスを支給することにしたバンコク警察」
数学賞:
「モロッコの君主がいかにして888人の父親になりえたのかを、数学的に検証」
診断医学賞:
「道路の凹凸を通過する際に感じる痛みの程度で、急性虫垂炎かどうか診断できる」
生理学賞:
「ミツバチに刺されると、どの部位が最も痛いのか」
医学賞:
「キスによるアレルギー反応の抑制効果」
【日本人も受賞!】
いや~、今年もそうそうたるラインナップですよねぇ! 興味深い研究が並ぶなか、医学賞をスロバキアの研究者と共同で受賞されたのは、日本人医師の木俣肇さん。
なんでも日本人は「イグ・ノーベル賞」の常連で、今年で9年連続の受賞(!)となるんですって。
【カップルのみなさんに、30分間キスしてもらいました】
医学賞「キスによるアレルギー反応の抑制効果」における実験方法は、次のとおり。
アレルギー性鼻炎や皮膚炎の患者60名に、リラックスした空間の中、恋人や配偶者と30分間キスをしてもらいます。
その前後でアレルギー反応の変化をみたところ、腫れが小さくなるなど、反応が抑制されたんですって。その代わりにくちびるは、キスのしすぎでしびれちゃったみたいだけれど。
ちなみに、同じ空間で一緒に過ごしていただけでは反応の抑制は見られなかったそうで、やっぱり「キス」が重要とのことです。
【ツイッターの声】
このたびの「イグ・ノーベル賞」発表のニュースに、ツイッターユーザーのみなさまもザワザワ。
「キスでアレルギー症状が緩和するという内容は非リアには関係ないな……」
「鶏に尻尾をつけると歩き方が恐竜っぽくなる、ってのがトリビアっぽくてすきw」
「ミツバチに刺されると、どの部位が最も痛いのか? 25カ所の中でって、うわー、つらい。つらい研究だ。痛そうだ」
「内容がどれも興味深い」
「イグ・ノーベル賞を毎年受賞してる日本の科学界はほんとにすごいと思うのよ」
「木俣肇さん、『情熱的なキスの生物医学的な利益あるいは影響を研究するための実験』でのイグ・ノーベル賞受賞おめでとうございます。こんな研究がもっと行われるといいですね!」
ちなみに最後の声を投稿したのは、キャロライン・ケネディ駐日米国大使。
改めて医学賞を受賞された木俣さん、本当におめでとうございます! 笑わせつつも、後の科学の発展に大いに貢献している研究が数多あるという、イグ・ノーベル賞。今年も興味深い内容ばかりで、感心のため息の連続でしたわ……!!
参照元:Improbable Research
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch