マネキンと聞くと、「洋服をディスプレイするためのアイテム」といったイメージしか浮かんでこないという方が、おそらく大半なのではないでしょうか。
しかし。米NYをベースに活動を続けるアーティスト・Ralph Pucciさんが手掛けるマネキンを見れば、その考えは一変。マネキンは彫刻であり、アートである。そのことを強く深く、実感せずにはいられなくなるに違いありません。
【業界に革命を起こしたPucciさんのマネキン】
22歳のときに家業を継ぎ、マネキン修理のビジネスを始めたというPucciさん。70年代、マネキン業界に革命を起こしたといわれる彼が手掛けるマネキンに、硬さや冷たさ、空虚さといったものは存在しません。
【様相もポーズも独創的です】
むしろその全く逆、柔らかくしなやかで、温かみすら感じるマネキンたちは、まるで命を吹き込まれているかのよう。醸し出されるどこか “挑発的” なムードに、ドキドキしてしまう方もいらっしゃるのではないかしら。
ポーズも画一的でなく、ヨガを連想させる姿勢をとるマネキンもあれば、妊婦マネキンなんてものまであったりして、とっても独創的!
【動画は必見】
8月末まで米NY「ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(Museum of Arts and Design/MAD)」にて開催されていた、Pucciさんの展覧会。その様子をレポートした映像が動画サイトYouTubeに投稿されているのですが、そこに映っていたPucciさんのアトリエはまさに、芸術家のそれ。
【あなたもすでに出会っているはず】
粘土をちぎり、全体像を頭に思い描きながら、付けては馴染ませて、ならしてゆく。一連の作業を経てできあがった個性豊かなマネキンたちを目にして、きっとあなたはこう思うことでしょう。
「どこかで見たことがあるぞ……?」
【各有名ブランドのディスプレイにいるよ☆】
それもそのはず、Pucciさんのマネキンは「Diane von Furstenberg(ダイアン・フォン・ファステンバーグ)」「ANNA SUI(アナスイ)」をはじめ、数多くの有名デザイナーたちにも愛されており、各ブランドの店頭ディスプレイを日々彩っているのですから。
見れば見るほどその魅力に惹きこまれる、Pucciさんのマネキン作品。その類を見ない存在感によって、あなたのマネキンを見る目がきっと、ガラリと変わることでしょう。
参照元:Museum of Arts and Design(MAD) 、YouTube(Museum of Arts and Design) 、Ralph Pucci
執筆=田端あんじ (c)Pouch