DLOWの “Bet You Can’t Do It Like Me Challenge” に合わせて、激しくダンスする制服姿の生徒たち。その後ろで負けじと踊る、背広姿のひとりの紳士。いやぁ、ノリノリじゃないっすか。なんとこの方、校長先生らしいですよ!?
この先生、アメリカでは超有名な人物で、名前はロン・クラーク。これだけのダンスを披露できるとなれば、有名になるのは当然のような気もしますよね。でも、彼の名を知らしめているのは、このノリの良さだけではないんです。
【ダンスも立派な教育のためのツール!】
ロン・クラークさん、激しいダンスをするのはこれがはじめて……というわけではないそう。実は数学や歴史といった普通の授業中にも、歌ったり踊ったりしまくってるらしいのです。「歴代大統領ラップ」「幾何学マジ最高」なんて替え歌もバンバン作ってるんだとか。なにそれ聴いてみたい。
「生徒たちに、興味を持ってもらうことが大切なんです。彼らをハードな勉強に追い立てる以上は、こちらも信頼を得て、絆を深める努力をしなくてはならないと思っています」と語るロン。歌やダンスは、そのための手段なんだそう。
確かにこんな先生が担当してくれたら、授業も楽しくて寝てる暇ないかも。
【地道に生徒たちと絆を育んできた先生】
でももちろん、いきなり生徒たちが受け入れてくれたわけではないみたい。ニューヨークのハーレムにあった学校は問題児だらけで、やる気はないわ、言うことは聞かないわで、教師のほうがギブアップするような有様だったんですって。
そこに赴任したロンは、宿題の提出方法から礼儀作法まで、細かくルール化。もちろん、生徒たちは最初反発しますが、きちんとルールを守れたときにはごほうびをあげることで、少しずつ楽しんでルールに従うようになったんだとか。
お菓子をあげたり、スポーツ観戦に連れて行ったり……当然ながら自腹なので、教職のかたわらアルバイトまでしていたというのだからスゴい。
授業に歌やダンスを取り入れる、一緒になって遊ぶ。なかなか学校に来られない子どもたちには、何度も足を運んで自ら会いに行って、話を聞く。そうやってロンは少しずつ、クラスの子どもたちとの絆を深めていったそう。
【「全米最優秀教師賞」を受賞!】
こうしたロンの努力が実って、彼のクラスの学力は、たった一年で全米最底辺から州の平均以上に。その功績を認められて、ディズニーの「全米最優秀教師賞」を受賞し、彼が実際にクラスで使っていたルールは書籍化されました。
ロンは一躍有名教師となり、オプラ・ウィンフリー・ショウにも出演。現在は、アトランタで自身が創設した学園で、教えたり踊ったりしているそうですよ。
映画「天使にラブ・ソングを」も、落ちこぼれ学校の生徒たちが音楽で再生する物語でしたが、こちらは正真正銘の実話。熱血先生、なんて良く言われますが、やはり教育には、トコトンまで生徒と向き合う情熱が必要なんだなぁ。
参照元: Facebook(Ron Clark)、The Ron Clark Academy
執筆=森本マリ (c)Pouch
▼それにしてもキレッキレですわ