[公開直前☆最新シネマ批評・イベント編]
映画ライター斎藤香が、映画スターのイベントを直撃取材。スターのオーラを感じながら、スクリーンでは見られない素顔を皆さんにお伝えいたします!
今回、記者が足を運んだのは、5度目の候補でやっとやっとアカデミー賞主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオの『レヴェナント:蘇えりし者』来日会見&イベントです!
何しろオスカー受賞後の来日。レオは何度も来日していますが、今回はマスコミもファンも大変浮き足立っております。その証拠に、記者会見場には、受け付け開始時間よりもだいぶ前から長蛇の列!
13時受付開始だったのですが、なんと午前から来ていた方もいたそうで、いいポジションでレオの喜びの表情をカメラに残したい!という、記者&カメラマンの情熱が始まる前からビンビン伝わって来ます。
新聞やテレビ、雑誌、ウェブニュースなど、日本全国&世界からなんと500媒体が集合したそうです。すごすぎ!
【レオが会見に出てこない?】
何度も来日しているレオは、日本人が時間に正確であることは理解しているようです。海外セレブは時間にルーズな人が多かったりするんですが、レオは時間通りに現れ、サクサクと仕事をこなしていく……という噂。そういうわけで、会見も時間通りに始まると思われ、司会の方も「オンタイムで~す」とおっしゃっていました。
が、しかし……開始時刻になってもレオが現れません。正直、カメラ席はもうギュウギュウの状態で、最前列は座って撮ってくださいと言われており、じっと正座していると足がしびれて「どうしたらいいの?」みたいな。この無理な体勢が辛い!
「早くレオ出てきて!」と思っていると、司会の方が「すぐそこにいらっしゃるのですが、いろいろな方にご挨拶していて、まだ出てこられません」と。
えええ~、ご挨拶。なんと律儀な。そりゃ子役時代から何度も来日しているレオだから、日本に知り合いも多いでしょう。その方たちにご挨拶中とあれば……しかたない、待ちましょう!
なんだかんだで約20分遅れくらいで、会見はスタートしました。レオが会見場に姿を現したときから、カメラのフラッシュとシャッター音がせわしなく会場に響きます。レオは慣れた様子で、記者とカメラマンの前へ。司会の方が目線の指示をするまでもなく、自ら右から左へ視線を送ってくれます。もう何百回とやってきた記者会見。言われなくても全カメラに目線! これぞスターです。
【オスカー像はいずこに?】
記者会見は定番の挨拶ナシで、いきなり質疑応答からスタート。やはりみんな聞きたいアカデミー賞受賞について。
「なぜ自分がアカデミー賞主演男優賞を受賞できたのかはわからないけど『レヴェナント:蘇えりし者』は特別な作品だ。この映画に参加できたことは本当に特別な経験で、1年もの間、どっぷり撮影につかってきた。これほど入り込める作品は稀だよ。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督があらゆるテクニックを使って芸術作品に高めたんだ。もうこのような映画に関われるかどうかわからないくらいだ」
作品の出来にも大満足。加えてアカデミー賞主演男優賞を受賞したのですから、俳優として今、最高に幸福な時期にあるのかもしれません。
ちなみにオスカー像はというと
「家のリビングにあります。友だちみんながオスカーを見たがっているよ」
と、ちょっと照れくさそう。4回フラれ続けたオスカーですからね、両想いは格別でしょう。
【生のレオはよくしゃべる!】
ポーチは以前、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でのレオの来日取材に行っております。そのときはマーティン・スコセッシ監督、共演のジョナ・ヒルと3名で、なんと東京証券取引所で会見を行ったのです。くす玉を割ったりして、ジョナ・ヒルが「なんでこんなことするんだろう?」と、不思議そうな顔をしていたのが思い出されます。
今回はそのような仕掛けナシ、ゲストの花束もナシ。レオひとりのシンプルな記者会見ですが『レヴェナント:蘇えりし者』に並々ならぬ情熱を注いでいたレオは、懸命にプロモーション。しゃべりが止まりません!
■映画について
「西部開拓時代、ヒュー・グラス(レオの役)たちは、原住民の生活する場所を攻めて、熊を仕留めて、毛皮をヨーロッパに卸している原住民をおびやかす存在だ。その彼の息子は原住民とのハーフ。複雑な関係なんだ。守るべき息子の命を奪われてしまった彼は、家族のスピリットによって生きる術を身に着けていくんだ」
「休業しようとしていたけど『レヴェナント:蘇えりし者』の依頼が来て、僕は長年イニャリトゥ監督のファンだったから、これを逃してはいけないと思ったんだ。脚本も良かったし、何よりイニャリトゥ監督とエマニュエル・ルベツキ撮影監督と組めるなんて、こんなに素晴らしいことはないから。現場は映画を撮影するというより、壮大な旅だったね」
■オスカー受賞後について
「オスカー受賞しても変わりたくないね。受賞はうれしいけど、受賞するために演技しているわけじゃないから。夢や理想の追求をして、最高の作品にすることが重要だ」
■来日について
「15回目くらいの来日になる。プロモーション以外にプライベートでも来ているからね。お気に入りの場所は京都。寺院が大好きだから。でも実は桜の時期に来日するのは初めてなんだ。開花宣言したんだよね。桜を見るのが楽しみだ」
質問に対し、打てば響くように的確に答えが返ってくるレオ。クレバーな人だなあと改めて感服!
【レオ、初の鏡割りにとまどう】
記者会見と同日の夜は、六本木ヒルズでレッドカーペットイベントです。いまや東京の来日セレブのレッドカーペットの名所? となりつつある、六本木ヒルズアリーナ。記者が着いたときはすでに大勢のファンが詰めかけていました。
プレミアでは、アカデミー賞のお祝いとヒット祈願でレオは鏡割りにトライ。15回ほど来日しているレオでも、さすがに鏡割りは初だったようで、意外と静かに“ スコン ”と割っていました。
「強く叩いたら、お酒が飛び出してきちゃうだろう」
とか言っちゃって、意外と慎重な性格?
このあとはレッドカーペットをまわってサインとテレビ取材。写真やパンフレットを持ったファンが、レオが動く方へ、動く方へと大移動。ワアアアアアと小走りで移動するので、転ぶ人がいるんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ。
ほぼ1日、レオの追っかけをしていた記者。レオは常にクールで何が起こっても動じずマイペースですが、しゃべりだすと、作品への愛をほとばしらせていましたよ。
『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日公開。今しばらくお待ちくださいね!
取材・執筆・撮影=斎藤 香(C)Pouch
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