私って何者? 子供の頃や10代の多感な時期には、誰しもいちどは考えたであろう、この問題。答えが出ることのないこの問いに、今も悩み続けている……なんて方も、もしかすると少なくなかったりして?
でもね。本日ご紹介する映像作品を観れば、その答えにたどり着くことができるかもしれませんよ。
【人間は数多くの細胞から成り立っている】
『What Are You?(あなたとは何者か)』というタイトルの動画をYouTubeに投稿したのは、以前当サイトで取り上げた『麻薬戦争はどうして大失敗に終わったのか』を制作した、「Kurzgesagt – In a Nutshell」。
このアニメによると、人は細胞の集まりから成り立っていて、その数はなんと、天の川、銀河の星の10倍以上あるといいます。
そして、1つの細胞は5万以上のたんぱく質で構成されていて、それぞれの細胞には目的も意識もなく、ただただそこに存在しています。細胞がすべて無くなれば、それと同時にあなた自身も消えてしまう……と続きます。
【悩みがちっぽけなものに思えてくる】
細胞は、体から取り出してもある一定の時間は生きていて、自分の実体がなくても、ある程度は存在し続けることができます。けれども、細胞がなくなってしまったら私たちは生きていけません。
また、細胞が自分ではなくなるのはいつなのでしょうか。臓器を移植すれば、他者の体の一部になることもできます。しかし、すべての細胞を1つずつ入れ替えたとして、はたしてどの状態から、他者が自分自身になるのでしょうか?
このように、科学的な側面から “自分” という存在をとらえる内容のアニメーション。じっくり見ていると、今抱えている悩みなんて本当にちっぽけなものに思えてきちゃう!
【視聴者の声】
この動画の再生回数は、驚異の180万回超え。コメント欄には、世界中からたくさんのメッセージが寄せられておりました。
「我々は脳ではないし、そのほかのパーツでもない。これらから成り立っている “構造” にすぎないのだ」
「このビデオを観るたびに、宗教の概念は非常にベーシックなものであると同時に、不合理なものであるように思えてくる」
「人間という存在はクールだけれど、 “なんの目的も持たない” ってこと」
【細胞は、今この瞬間も数百万個死んでいる】
アニメが終盤にさしかかると、 “死なない細胞” ガンについて語られるシーンもあり、ぐっと引き込まれる内容で見逃せません。
作品の全編に渡って、流れてくる言葉すべてが新鮮な驚きに満ちているのですが、とりわけ記者(私)がドキッとしたのは、「細胞は常に死に続けていて、動画が始まってから2.5億個は死んだ」というナレーション。その “ドキッとした瞬間” は、動画がスタートしてからおよそ2分5秒後にやってきます。
つまりは、1秒あたり数百万個の細胞が死んでいるわけです。そして新しい細胞が生まれ、7年の間にそのほとんどが入れ替わってしまうのだといいます。普段は気にも留めていなかったけれど、細胞の入れ替わりってそんなに目まぐるしかったんかい!
【7年前の自分と今の自分は異なる!?】
自分自身では変化がないように思えても、7年前の自分と今の自分とでは、細胞レベルで考えると全く違うということが、このアニメを見ていると分かってきます。
今この瞬間の自分は、今しか存在しえないものなのだということを、深く実感できるのではないでしょうか。
生と死、あなたと私といった違いは、実は明確ではないのかも? キュートなキャラが登場するアニメーションとは裏腹に、いろいろと深く考えさせられる『What Are You?』、それではごゆっくりお楽しみくださいませ!
参照元:YouTube / Kurzgesagt – In a Nutshell
執筆=田端あんじ (c)Pouch