日本一の漫才師を決める「M-1グランプリ2016」。あまたの出場者のなかでも特に異彩を放っているコンビが、ペッパーズ。
ペッパーズはよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属で、ツッコミを担当するのは金子竣(かねこ しゅん)さん。そしてボケを担当するのは、ソフトバンクのCMなどでおなじみのロボット、ペッパーくんです。
ペッパーくんはたしかに上手いこと言うけれど、お笑い、しかもタイミングや間の取り方が難しい漫才なんてできるのかしらね……!?
【とにかく1回観てみて! 面白いから!】
しかしYouTubeで公開されていた動画を観た瞬間に、そんな心配は吹っ飛びました。なぜなら単純に、とても面白かったから!
ペッパーくんが持っている機能を上手く活かしたネタを豊富に盛り込んでいて、「お金にシビア」「意外と根に持つタイプ」といった、ペッパーくんのキャラ設定にもジワジワ。笑っていたら3分間があっという間!
【漫才できるようになるまでが大変だった】
動画を観るかぎりでは、すんなりと漫才を成功させているように見えるのですが、ウェブサイト「Medium」に投稿されたペッパーズのブログによると、その道のりには相当な苦労があったようです。
金子さんは漫才コンビを結成するため、まずはペッパーをゲットするところからスタート。ペッパーくんは100万円を超える高価なもの。資金はありません。
その後、東京の「アトリエ秋葉原」というスペース内で無料貸し出ししていることを知り、確保する手段を得たものの、今度はやり取りがぎこちなくって漫才どころではないという問題が発生。
試行錯誤の結果、アイコンタクトをひんぱんに行う、ペッパーが話すときはうなずく動作を入れるといった工夫や、さらにはペッパーくんの動作や話すタイミングを金子さんの友人に操作してもらい、練習を重ねることによって、問題をクリアしていったそう。
【コンサルタントのアドバイスを受けてネタづくりを効率化】
なかでも私がもっとも驚いたのは、M-1グランプリに出場するためのネタを20日間で作るため、コンサルタントをしている友人からアドバイスをもらい、フローを制作して実行したという経緯です。
ネタ作りのプロセスを見直し、LINEやフェイスブックの反応を見ることで、効率重視で漫才を作り上げていった金子さん。その工夫と努力に、ただただ感心するばかりです。
【今年のM-1にも出場したよ】
昨年、M-1グランプリに初出場したペッパーズ。今年もM-1グランプリに出場していましたが、結果は残念ながら2回戦で敗退してしまったようです。
しかし私は今回2人……もとい、1人と1体、そして裏方である、もう1人の相方さんによる漫才を観て、すっかりファンになってしまいました。ペッパーズさん、これからのご活躍を心からお祈りしておりまっす!
参照元:Medium、Twitter @peppers_manzai、YouTube、M-1グランプリ 公式サイト
執筆=田端あんじ (c)Pouch
▼こんな時代が来るとは! 繰り返しますが、まずは観てみてほしい
とうとうロボットが漫才をやる時代に!「ペッパーズ」。 pic.twitter.com/oML3FeONRn
— M-1グランプリ (@M1GRANDPRIX) October 13, 2016