[公開直前☆最新シネマ批評・インタビュー編]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品の主演俳優を直撃インタビューします。
今回、直撃インタビューしてきたのは『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(2016年10月29日公開)で、ブリジットの新しい恋人ジャックを演じているパトリック・デンプシーさんです。
パトリックは海外ドラマファンにはおなじみ!「グレイズ・アナトミー」のイケメン医師デレク・シェパードで有名です。残念ながらドラマは降板してしまったけど、すぐにスクリーンに帰ってきてくれて嬉しい限り。
そのパトリックに 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』の撮影のこと、自身の俳優業のことなど直撃インタビューしてきました!
【ジャックは僕のファンが求めるキャラクター】
インタビュールームにパトリックが入ってきた途端、パーっと部屋が華やぎました。さすがイケメン俳優のオーラはハンパないです! とろけるような笑顔で「Hi」と御挨拶され、ニヤニヤしちゃいましたよ。
と、ポーっとする間もなく、さっそくインタビュー開始です。まずは出演依頼があったときのことから。
――世界中の女性に人気のある『ブリジット・ジョーンズの日記』の3作目の依頼があった時、どんな気持ちでしたか?それも彼女の新恋人の役です!
「まずは脚本がとても気に入った。依頼があったとき、まだジャックのキャラクターは完全にかたまっていなかったけれど、ちょうど僕は「グレイズ・アナトミー」から離れたばかりで、この映画に出ればファンの人達が喜んでくれるんじゃないかと思ったんだ。ジャックはファンが僕に求めているようなキャラクターになる予感がしたからね。
それに長期に渡るドラマが終わって、次のステップに進むのに良い影響を与えてくれる仕事だとも思ったよ。ただ、不安がないわけじゃない。レニーやコリンはもうこのシリーズで共演しているし、新入りの僕に何ができるだろうと、ちょっとナーバスになったことも事実だ」
――そうなんですね。そんな風にナーバスになっているとは思えない素敵さでしたよ! パトリックさんは、ジャック役をどのようにとらえて演じましたか? シリーズの過去2作をご覧になったり、参考した映画などはあったりしましたか?
「過去作は見なかったし、参考にした映画もないなあ。ジャックは3作目で登場する人物だから、シリーズの過去作を見ても、あまり参考になるとは思えなかったんだ。とにかく脚本を読んで、ジャックという人物についてさまざまなことを考えて役に注ぎ込んだよ。ジャックはアメリカ人の企業家で、ブリジットの元恋人の英国人マークとは対照的なキャラクター。正反対だからこその葛藤もあるから、そこに遊び心を加えて演じようと。ブリジットはどちらの男性を選んでも、いい選択だよね(笑)」
映画を見ればわかるのですが、確かにジャックとマーク、甲乙つけがたい、いい男なのです。
【コリン・ファースはマークとは全然違うキャラ】
――撮影で印象に残っているシーンや、好きなシーンはありますか?
「妊婦のブリジットをマークと一緒に抱えて、橋から病院へ連れていくシーンが最高だった。とにかく笑いの絶えない現場でね、3人で一緒にいるのが楽しくて仕方がなかったんだ。僕も『ブリジット・ジョーンズ』チームの仲間になれたと思えたし、一番好きなシーンでもあるね」
――レニー・ゼルウィガーと、コリン・ファースとの共演はいかがでしたか? 素顔の二人はどんな人でしょうか?
「レニーはとてもプロフェッショナルだよ、やさしさもあるし、地に足がついている感じがするしっかりした女性だ。コリンは、たぶん皆さんが思っているのと全然違うと思う。とても人当たりがソフトでチャーミングな人。彼はマークのような堅い英国男性を演じることが多いけど、正反対の人だよ」
――そうなんですね。コリン・ファースの意外な一面を知った気がします。ところで、ブリジット・ジョーンズは日本の女性にも絶大な人気がありますが、男性目線で見て、彼女の魅力はどこだと思いますか? ジャックは彼女のどういうところに惹かれたのでしょう?
「ブリジットの魅力は、完璧じゃない女性だってところだよ。完璧すぎると人間味は薄れるものだけど、彼女はその点、とても人間味が溢れている女性だ。彼女の短所こそがチャームポイントなんだと思うな。ジャックが彼女のどこに惚れたか……考えたことないなあ(笑)。でもジャックは彼女自身が思う自身の欠点を欠点だと思っていない。逆に彼女の欠点を愛したんだと思うよ」
【俳優であり、プロデューサーであり、レーサーでもあり!】
――パトリックさんは、プライベートではレーサーでもあるんですよね。噂では『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』とレースがかぶりそうで、大変だったそうですが。
「そうなんだ。ポルシェがサポートしている世界耐久選手権に出場できる権利があって、これは僕が努力して掴んだ権利だから、どうしても出場したかったんだ。撮影スケジュールとレースの調整がつくかどうかと思っていたけど、この映画の製作会社「ワーキングタイトル」は、ドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』も作っていて、レースに理解があり、プロデューサーも協力的だったから実現できたんだよ」
――ジャックはあなたにピッタリの役なので、出演できて本当に良かったです。今後演じてみたい役はありますか? 役選びなどの基準はありますか?
「今回は、「グレイズ・アナトミー」のファンに喜んでもらえそうだという基準で選んだけど、次はもうちょっとエッジの効いた役を演じたい。役者として成長できる役を演じたいと思っているよ。
実は映画とテレビのプロデューサーもやっていて、いま12本の企画があり、そのうち6本はもう売れたんだ。日本の監督や役者さんとも仕事したいんだよね。日本での撮影も望んでいる。できれば日本の若い映画作家の方と組んでみたいね」
そこいらの男子には出せない大人の男のセクシーさと、渋さと、やさしさを併せ持ったパトリック・デンプシー。ブリジットが、彼が演じるジャックと元カレのマークとの間で揺れる気持ちもわかるわ~と、ご本人に会ってつくづく思いました。
今後の活躍を期待しつつ、ぜひぜひ『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』で、IT会社のイケメン社長ジャックの魅力にイチコロになってください。
取材&執筆=斎藤 香 (c)Pouch
『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』
(2016年10月29日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー)
監督:シャロン・マグワイア
脚本:ヘレン・フィールディング、エマ・トンプソン、ダン・メイザー
出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー、ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ、エマ・トンプソン、ダン・メイザー
原作:ヘレン・フィールディング
配給:東宝東和 (c) Universal Pictures.
製作国・製作年 2015年 UK