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「県民手帳」で最も売れているのは「長野県民手帳」! なぜ人気なのか制作元を取材してみたら…意外な発見がありました

2017年2月8日

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みなさんは、「県民手帳」というものをご存じでしょうか?

その土地でしか食べられない独自のフード「ご当地グルメ」が存在するように、じつは手帳にもご当地ならではのものがある。それが、地域の情報を盛り込んだスケジュール帳、「県民手帳」なのです。

制作しているのは、各県の自治体や統計協会。値段はそれぞれ違いますが、だいたい500円前後のもよう。発売しているのは、北海道、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫を除く41県です。

そして41ある県民手帳のなかでもっとも売れているのは、私の地元「長野県」のもの!!

ですが、私はこの「県民手帳」というものの存在自体をまったく知りませんでした。そして地元の友人も「知らない」という人ばかり。……本当に人気なのか?

【長野県に行ってみた】

その秘密を知るべく地元・長野県へ帰郷。すると、本屋にもコンビニのレジにも、あちこちで売られているではありませんか! なんで今まで気がつかなったのだろう。とりあえず念願の長野県民手帳を1冊購入。お値段は消費税込みで500円でした。

【これで500円は、お得すぎ】

毎年色が変わるという長野県民手帳。2017年は茶色い皮のようなカバーつき、どんな人でも使いやすい見た目だなという印象です。ポケットに入る、小回りのきくサイズなのもうれしいところ。

さっそく、日本一売れている手帳をパラパラとめくってみることに。そして、日本一の謎が解けた……これ、ここまでやっていいんですかぁあああ!!? と、浅間山に叫びたくなるくらい、ていねい・簡潔・わかりやすい・長野感満載の情報がウルトラ充実した手帳だったのです。

【スケジュール帳を超えた手帳】

前半は手帳らしく、スケジュールコーナー。そして後半には、長野に関する情報が盛りだくさん!

お祭りなどの年間行事、議員の住所、公共施設の連絡先、長野県で起きるできごとをまとめた「長野県の1日」など、必要な情報から長野県民でも知らないマニアックな情報まで、さまざまな長野のすがたを知ることができます。これだけでもじゅうぶん「県民手帳」としての役割を果たしている……と思ったのですが、この手帳はそれだけでは終わらないのです。

一目でわかる計量単位の換算表から、「必要」と「便利」で分けられた非常時出品リスト、国内郵便料金表、戸籍などの届出に必要な物のリストなど、かゆいところに手が届くような情報がていねいに網羅されているのです。この1冊があれば、長野での充実した生活が約束されたようなもの!

しかし、どうして手帳にここまでの情報を掲載したのだろう。気になったので、制作元の長野統計協会にたずねてみました。

【県民の声を手帳に反映している】

協会によれば、長野県民手帳は、もともと統計調査員のために作られた手帳だったとのこと。それが「使いやすい」と評判になり、県民の要望で昭和36年(1961年)から一般に販売されるようになったのだそうです。

制作する際のこだわりを聞いてみると、「皆様からの御要望を反映させて毎年少しずつ変更を加えています。それと同時に『変わらない良さ』を重視し、サイズや掲載内容などをあえて大きく変えないようにしています」とのこと。

この細やかな気配りが、日本一売れる手帳の秘訣なのかもしれません。

【お土産にも喜ばれる手帳】

長野県の老舗書店『平安堂』の方に、この手帳をどういったひとが購入するのか、聞いてみました。

「主なのは40代以上の方、どちらかというと男性が多い印象です。また個人使いだけでなく、手軽なお土産にもなっているようで、ひとりで複数冊購入される方もいらっしゃいますね。全国で一番売れている県民手帳という話題性から、県外に住む信州人や取引先の長野県担当者などにウケが良いようです」

たしかに、この手帳はお土産に向いているかもしれません。長野の情報がパッと読める楽しさもあるし、スケジュール帳としての利便性もあります。長野で旅行する際の旅日記としても使えそう。

私なら、長野で結婚したばかりの新婚夫婦に送りたい。結婚したり、子供を産んだりと、役所や学校と関わっていくしことも増え、同時にわからないことも増えていくはず。そんな時にパッと調べられるこの手帳は長野で生活する上で重要な相棒になってくれる、と思いました。

素晴らしき長野県民手帳! みなさんもぜひ1冊どうぞ。

取材協力:長野統計協会平安堂
撮影・執筆=百村モモ

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