いつかは建てたいマイホーム。だけどお金もそれなりに必要だし、時間だってかかります。ところがアメリカ・サンフランシスコに拠点を置く会社「アピスコー(Apis Cor)」にお願いすれば、かかるコストは約113万円。わずか24時間で家が完成してしまうというのだからすごい!!!
「Apis Cor」は世界初の移動建設3Dプリンタを開発する会社で、建設に要する時間は24時間でも強度はバッチリ。なんと最高で175年間もつ(!)という3Dプリンタ製の家を、モスクワのストゥピノという街に完成させました。その製作の様子がYouTubeに公開されています。
【3Dプリンタの大きさは比較的コンパクト】
一面の銀世界にたたずんでいるのは、円形にほど近い黄色の建物。「Apis Cor」社特製の建設用3Dプリンタで作られたもので、ホームページによれば、建物の面積は38平方メートル。中にはホール、バスルーム、リビングルーム、コンパクトなキッチンを備えているんですって。
3Dプリンタの大きさは、アームが4m、高さが1.5m、重さが2トンと、建築機材としてはコンパクト。必要に応じて伸び縮みし、目的地まではクレーン車で運ばれるそう。アームは最長で8.5m、高さは最高で3mにもなるのだそうです。
【コンクリートも混ぜるよ】
3Dプリンタのなかにはコンクリートを混ぜるためのミキサーが内蔵されていて、1台で1日あたり最大100平方メートルの建物を出力することが可能。ホームページによると、必要とする人員は事業管理をする人と材料供給をする人、合計2人だけなんですって。
【色を塗ったり窓をはめ込んだりするのは人間のお仕事】
インストールとセットアップにかかる時間は、だいたい30分。必要とする電力は電気ポット5台を同時に使用するのと同じ、800kw。回転式アームですいすい基礎から着工、内装外壁屋根のすべての製作を3Dプリンタが担当します。
おおかた完成したら、今度は人間の出番。壁を塗り、屋根に耐久シートを張り、壁面に断熱材を注入。窓などを取り付け家具を入れたら、3Dプリンタハウスの完成で~す!
【こうして時代は変わっていくのね…】
これまでにも建築に3Dプリンタは用いられてきましたが、作られていたのは家全体ではなく部品のみ。組み立ては人間が行ってきましたが、「Apis Cor」の3Dプリンタはその過程をすべてやってのけてしまうというのだから前代未聞です。
正直なところ、どれだけ「丈夫です!」と言われても不安が消えないことは否めませんが、24時間でできるという特性は災害時などに役立ちそう。コストも人手も最小限で無駄なし。3Dプリンタの家が主流になる未来が、すぐそこまでやってきているのかもしれません。
参照元:Apis Cor、YouTube
執筆=田端あんじ(c)Pouch