舞台はイタリア・トスカーナ州ピサにある、ベルディ劇場。ステージ上で美声を披露するのはアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)さんはじめ有名オペラ歌手のみなさんで、演奏はルッカ・フィルハーモニー交響楽団です。
歌手もオーケストラも、申しぶんなく豪華。にもかかわらず観客がもっとも注目したのは、ステージ中央で指揮をするロボット「YuMi(ユーミィ:You and meの意)」でした。
【人間と一緒に細かい作業ができるロボット】
スイスの企業「ABB」が手がけた「YuMi」は、人間と同じく2本の腕を持っています。
「ABB」によると2015年にこの世に誕生したこの “双腕” ロボットは、小型部品の組み立て作業ができるほど柔軟らしく、人間と一緒に働くことができるのだとか。
ティーチングによるプログラミングを可能にしており、今回披露した指揮も、ルッカ・フィルハーモニー交響楽団の指揮者、アンドレア・コロンビニ(Andrea Colombini)さんに教えてもらったみたいです。
【この日立ち会えた人はラッキーですね!】
この日のステージは、第1回国際ロボット工学フェスティバルのグランド・フィナーレとして行われました。
ロボットが指揮をするというのはおそらく、世界初。各国から集まった800名以上の著名なゲストたちは、「YuMi」の指揮によるヴェルディ作『リゴレット』のアリア『女心の歌』やプッチーニ作『ジャンニ・スキッキ』などを、存分に楽しんでいったようです。
【ロボットはどこまで進化するのでしょうか】
ロボットでありながら、「YuMi」の動きは柔らかで繊細。人間のように臨機応変に対応できないため即興演奏などは不可能らしいのですが、そう遠くない未来にはそれもクリアしちゃうロボットが出現しそうですよね。わくわくするけど、同時にちょっぴり、脅威を感じちゃうわ……!
参照元:YouTube、ABB[1][2]
執筆=田端あんじ (c)Pouch