YouTubeで美容やダイエット、メイクなどの動画をアップし続けているメロディー・モリタさんは、16歳までアメリカのロサンゼルスで育ち、現在はニューヨークに暮らしています。
日本に住んだことは1度もなく、また日本語学校にも一切行ったことがないのにもかかわらず、とっても流暢で美しい日本語を話すモリタさん。なんと日本語は独学で学んだらしく、その能力を活かして、ニュースリポーターやバイリンガルMC、通訳として活動しているのだそうです。
モリタさんは5歳の頃、通っていた幼稚園で、生まれて初めて “差別” を経験しました。その時の経験を、YouTubeで公開しています。
【日本の文化や料理を否定され深く傷ついた】
当時、アメリカのお弁当の定番といえば、ピーナッツバターとジャムのようなジェリーをパンに挟んだ「ピーナッツバター&ジェリー サンドイッチ」。
しかしモリタさんのお母さんは、娘に日本の食文化を知ってもらおうと、毎日朝早く起きて日本式のお弁当を作っていたんです。
ある日、お弁当に海苔巻きを持っていったところ、友達に「黒い紙食べてる」「気持ち悪い」と言われてしまったモリタさん。今ほどお寿司がポピュラーではなかった時代ですので、ひょっとしたらアメリカの子供たちも驚いてしまったのかもしれません。
日本の文化や料理についてあれこれ否定的なことを言われて、深く傷ついたモリタさんは、日本のお弁当を「恥ずかしい」と感じ、帰宅後お母さんに対し「日本のお弁当なんてもういらない」と言ってしまったそうなんです。
【お母さんの行動力が娘を救う】
すると翌日、お母さんはクラス全員分の海苔巻きを用意し幼稚園まで持参。強制するのではなく、「もし食べたい子がいたら、よかったら食べてみてね」と勧めてみたというのです。
担任の先生も非常に協力的だったらしく、生徒たちみんなに「異文化を否定するのではなく受け入れることで、視野が広がるんだよ」と話してくれたんですって。
海苔巻きを「美味しい」といって食べてくれたお友達もいて、お母さんの試みは大成功。それからは日本のお弁当に対する悪口はなくなって、逆に興味を持つようになってくれたのだと、モリタさんは言います。
【視聴者からもコメントが続々】
「日本のお弁当を恥ずかしいと思っていた自分が恥ずかしくなった」「これをきっかけに、もっといろんな国のことが知りたいと思うようになった」と、モリタさん。
視聴者の方々からは、「お弁当のエピソード、とても感動しました」「素晴らしいお母様ですね、胸がじーんとしました」といった具合にたくさんのコメントが届けられています。
お母さんの優れた行動力や先生の協力する姿勢はもちろん素晴らしいけれど、異文化を素直に受け入れたアメリカの子供たちも、同様に素晴らしい。
否定するのではなく、受け入れる。歩み寄る努力をする。その大切さを、モリタさんのエピソードから改めて学ばせてもらったように感じました。
参照元:YouTube
画像=メロディー・モリタ used with permission
執筆=田端あんじ (c)Pouch