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映画化した書籍「食べる女」は、グ~っとお腹がすいて無償に誰かを愛したくなるオムニバス作品 / オススメの物語をピックアップしてみたよ

2018年9月7日

2018年9月21日に公開される映画『食べる女』は、筒井ともみさんによる短篇集『食べる女』『続・食べる女』を待望の実写化したもの。小泉今日子さんをはじめとする8人の女優陣が競演し、キャストの豪華さで、公開前から注目を集めているんです。

小泉さんのほかには、鈴木京香さん、沢尻エリカさん、広瀬アリスさん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、壇蜜さん、山田優さんが名を連ねておりまして、結婚で話題の前田敦子さんも重要な役どころで出演しています。しかも夫である勝地涼さんも出演者のひとりで、ニヤニヤしながら観ちゃいそう~!

それはさておき。実はわたし原作の大ファンで、映画公開記念として大好きなお話7つを厳選して紹介したいと思います。映画の元となった原作も大変魅力的なので、公開前にぜひみなさんにも読んでいただきたい……!

【第1作目『食べる女』は誰かを愛したくなる1冊】

「ひとはおいしい食事をすると、体が元気になる。いとしいセックスをすると、心がやさしくなる」

この一文からはじまるのが、第1作『食べる女』

“スローフード・スローセックス” を宣言しているこの作品は、決してエロがメインなのではなく、読み終わったときに美味しいものを食べたくなり、誰かを愛したくなる名著です。短篇集ですし、普段本をあまり読まないという人でも読みやすいのではないでしょうか。

【2作目『続・食べる女』はヒリヒリと痛くて沁みる1冊】

続篇となる第2作『続・食べる女』は、1作目よりもリアルでヒリヒリとしたお話が多い印象。

そう感じるのは登場する女性たちの多くがミドサーであるわたし自身と年齢が近いこともあるのでしょうが、読みすすめるごとに「これは、歩むことになるかもしれなかった別の人生をゆく、もう1人のわたしのことだ」と強く実感するような1冊なんです。

【2人の男性の間で揺れ動く『台所の暗がりで』がたまらなく好きです】

個性豊かな登場人物が織りなす短篇のなかでまず選びたいのが、1作目『食べる女』に収録された『台所の暗がりで』

テレビ番組の制作会社でバリバリ働く多実子が、穏やかな性格の彼氏・草介と、以前不倫関係にあった元カレの間で揺れるお話なのですが、どうして恋人と倦怠期に陥った時に限って激しい恋愛のお誘いがあるんでしょうかねぇ。コレ人類の七不思議と言っても、過言ではない気がします。

安定した関係にある草介と、胸はドキドキしっぱなしだけど結局は傷つくであろうことがわかっている元カレ。2人の間で揺れながら、多実子は1人台所の暗がりで、立ったまま卵かけごはんを食べるんです。冷蔵庫には、草介が作り置いてくれたディナーがあるというのに。

この先どうすべきかわからない。そんなときにも人はお腹がすくし、パパっと手軽に食べられる “ちょっと野蛮なご飯” を食べたくなるもの。そうして食べれば、ほんの少し元気になれるのだから不思議なものです。

【そのほかのおススメはこの6作品☆】

『台所の暗がりで』以外におススメしたいのは、次の6作品。

『食べる女』より
・別れた両親の姿を幼い少女の目線からとらえた『マイ・ファーストワイン』
・中学からの親友である40代女性3人組が協力して子育てしようと団結する『きもちいいのが好き』
・マンションを購入して1人暮らしを満喫する30代女性が、ある日 “冴えないオヤジ” と出会ったことで生活が変化してゆく『闖入者(ちんにゅうしゃ)』
・自由なママに振り回されつつも、そんなママを愛してやまない “パパたち” と仲睦まじい日々を送る娘を描いた『多忙少女』

『続・食べる女』より
・トラウマともいえる元カレとのエピソードがきっかけで苦手だった生牡蠣が好きになる『なんて素敵な世界』
・大人だけに許された “自由” は、心地よくて、同時にとても孤独だとしみじみ実感する『世界の中心で、愛を拒む』

【『食べる男』シリーズも必読ですよ~】

全てのお話に出てくるのは、食べもの。今にも湯気が立ち上ってくるかのような、どこか艶のある、おいしそ~~~な描写もお見逃しなく。

ちなみに第1作『食べる女』には、 “食べる男” という3つの短篇も盛り込まれておりまして、こちらも全作おススメしたいくらい愛おしいお話ばかりなんです。映画公開までまだ十分時間があることですし、 “一足早い読書の秋” を堪能してみてはいかがでしょうか♪

参照元:映画『食べる女』公式サイト
撮影・執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼映画版は各短篇が交錯しあう内容となっているみたい

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