いまファッションショーで多く取り入れられているのが「配信形式」。
おうちにいながら、最前列のフロントロウでさまざまなコレクションを楽しめます。
つい先日はルイ・ヴィトンのメンズコレクションが配信され話題になりましたが、今回注目するのはクリスチャン・ディオールの「2021 春夏 オートクチュール コレクション」。
タロットカードをテーマにした約15分間の映像は、神秘的な世界観が美しく、ショーの域をはるかに超えているんです……!
【完全に「映画」です】
日本時間1月25日22時30分に配信された「2021 春夏 オートクチュール コレクション」は、映像という特性をフルに活かした、1つの芸術作品。
セリフは出てこないものの、1本の短編映画といっても過言ではありません。
映像には、ファッションショーでよく見る「モデルがランウェイを歩いてワンターンして去ってゆく」といった表現はなく、タロットの絵をイメージしたキャラクターが次々と登場します。
「正義」「愚者」「節制」「吊るされた男」などが出てきて、主人公の女性を導いていきます。
やがて「悪魔」の元へとたどり着き、身をゆだねる主人公。
同じ人物が男性と女性両方を演じて、「恋人」のカードを表現しているシーンも印象的です。
【演出が神がかっておる…!】
ディオールのクリエイティブディレクター、マリア・グラツィア・キウリさんが表現したのは、タロットのミステリアスで多元的な美しさ。
タロットを美しいドレスで表現するだけでなく、ヘアメイクや映像でフル演出しているところが圧巻です。
映像を手掛けたのは、イタリアの映画監督マッテオ・ガローネさん。
タロットの世界観を表現するべく、世界最古のタロットカードとされるヴィスコンティ・スフォルツァ版のカードに着目。
カードからインスパイアされた、ジェンダーの境界を超越した「男女の統合」を表現したそう。
【美しいものは希望をくれる】
映像美に見惚れて、終始うっとり。観終わった後に、感動で鳥肌が立つディオールの「2021 春夏 オートクチュール コレクション」。
ここ最近は外に出る機会も減ってしまい、ファッションやメイクへの関心も以前に比べると薄れてしまいがちです。
そんなときに今回のような作品に触れると、美しいものは希望だな……と、改めて感じます。みなさんもぜひ、ご覧になってみてくださいね。
参照元:YouTube、プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch
▼ディオール版タロット、ぜひとも商品化してほしい……!
▼ショー本編はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=jYOrGvVh7mk&feature=youtu.be