ひとたび社会人になってみると「自分にはいったいどんな仕事がいちばん向いているんだろう?」……こう思い始める人は少なくないはず。
私自身、 “石の上にも3年” というように「この仕事は合わないかも」と思いつつ、新卒で入った会社に気付けば6年間も勤めていました。
そんな私に転機が訪れたのは、アイルランドのワーキングホリデーに行くことを考え始めた30才のとき。
6年勤めた会社を退社して、海外生活の資金を稼ぐべく短期派遣を利用。その結果、貯金が出来ただけではなく、意外なメリット&デメリットがわかりました。
【短期派遣の仕事を選ぶ】
短期派遣を利用することにしたのは、留学資金を貯めると同時に、その職種が自分に合うかを試してみたいという理由から。
ひとえに派遣と言っても、単発アルバイトのように1日の超短期から、数カ月~数年単位の長期など。私はバレンタインやセール時期などの季節労働や、オフィスワークを経験してきましたが、今回は大手企業の受付として4か月短期派遣で働いていた経験をメインにお伝えします。
【短期派遣でわかった意外なメリット】
・時給が高い
なんといってもいちばんの魅力は、一般的な長期雇用のアルバイトや正社員と比べて時給が高いことです。
手取りが少なかったOL時代は生活費や奨学金の返済など固定費の出費も多く、なかなか思うように貯金が出来なかったのですが、短期派遣時代は手取りが多い月で30万円ほどあり、OL時代と比べるとがっつり貯金をすることができました。
・短期だからこそ希望する職種に挑戦しやすい
幼い頃から “企業の受付” として働くことに漠然と憧れがあったものの、新卒時に受けたのは別の職種。勤務時間のほとんどをパソコンの前で過ごし、何年もやり取りをしているお客さんの顔すら見たことがありませんでした。
実際に短期派遣で受付の仕事をしたときは、お客さんと直接会うことにより「私は人と接することが好きなんだなぁ」と、思いがけず気付くことも出来ました。
1度入社したら長く勤めなきゃ……と考えると選択肢に漏れるような、自分にとってはちょっとチャレンジな仕事にも、短期だと思うと挑戦しやすかったです。
【短期派遣のデメリット】
・収入が不安定
派遣は時給なので、正社員のように毎月定額が入ってくることがありません。
年末年始やゴールデンウィークのような休日の多い月は稼ぎが少なかったり、交通費が出なかったり……。あらかじめ今月の手取りはどれくらいになるかを計算しておく必要がありました。
・やりがいが生まれにくい
あくまでも人材として派遣されている立場なので、私の経験だと、業務はほとんどが誰にでも出来る簡単な仕事でした。責任のある仕事を任される機会は少ないので「やりがい」を求めるとギャップが生じやすいと思います。
・契約の打ち切りの怖さ
もっと働きたいなと思っても契約期間の満了や契約の打ち切りがくれば雇用は終了。やはり先行きが読めない不安があります。
・正社員との気持ちの面で格差がある
職場に元派遣社員として働いていた方がいて、「社員さんに言いにくいことがあったら教えてね」と常々声をかけてくれていました。幸い、私は派遣社員として働き辛さは感じなかったものの、その方が派遣社員だったときは、社員に対して言いたいことが言えなかったとのこと。
【意外と転職のチャンスもある!?】
余談ですが、オフィスワークの派遣のとき「いまの派遣会社を辞めて、直接雇用はどう?」と打診がありました。こういうパターンは少なくないようです。
その会社はストレートに入社試験や転職試験を受けても入りづらい大手企業だったので、転職方法はいろいろなんだなと思いました。
また、働く前は派遣は福利厚生が手薄というイメージがあったのですが、福利厚生は会社によって異なるよう。事前に派遣元にしっかり確認しておくほうがいいでしょう。
以上、短期派遣を経験して分かった意外なメリット・デメリットでした。
執筆:香月実穂
Photo:(c)Pouch