2021年6月15日にカンテレ・フジテレビ系で放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』最終話。
前回第9話では「関係性のゴールは1つではない」ことを描いていましたが……最終話は、すべての生き方を肯定するような内容となっていました。
とわ子(松たか子さん)と元夫たちが選んだ生き方はとても愛おしく、温かくて「こんな人生も悪くないなぁ」と思えます。
いい意味で最終回っぽくなかったところも、「この人たちの人生はこれからも続いてゆくんだ」と思わせるもので、これが最後だなんてあまりにも寂しすぎる……(涙)。
【最終話あらすじ】
ある日のこと、とわ子は亡くなった母の荷物から「出せなかったラブレター」を発見してしまいます。
複雑な思いにとらわれつつも、娘の唄(豊嶋花さん)に背中を押されて、母の想い人に会いにいくことにするのですが……。
【選んだ人生も選ばなかった人生も「間違い」じゃない】
母がかつて恋をしていたのは、真(まこと / 風吹ジュンさん)という女性。
自分がいたせいで、母は「真がいる人生」を選べなかったのだ……と思い込むとわ子に、真は
「家族を愛していたのも事実。自由になれたらって思ってたのも事実。矛盾してる。
でも誰だって心に穴を持って生まれてきてさ、それを埋めるためにジタバタして生きてるんだもん。
愛を守りたい。恋に溺れたい。1人の中にいくつも(思いが)あって、どれも嘘じゃない。どれもつき子。
結果は『家族を選んだ』ってことだけだし。選んだ方で正解だったんだよ」
と語りかけるのです。
選んだ人生も選ばなかった人生も、決して「間違い」ではない。
恋をしたいときもある。結婚を望むこともある。でも1人でやりたいこともあって、どれも本当の気持ち。だからどれを選んでも「正解」なのだ。
真のセリフは、すべての生き方を肯定するもので、どこまでも優しくて泣けてきます。
【とわ子と元夫たちの関係=最高!!!!!】
前回第9話で、とわ子は4人目の夫と結婚するのではなく、1人で生きていくことを選びました。
でもとわ子は「ひとりぼっち」ではなくて、すぐそばに娘もいるし、いつだって味方になってくれる元夫たちもいます。
最終話でも、元夫たちがソファで寝てしまったとわ子をニコニコ見守りつつ
「僕たちはみんな、君(とわ子)のことが好きだってこと」
と口にしていて、恋愛を超えた「深い愛」を感じました。
長い人生、何が起こるかわからないけれど、きっと元夫たちがとわ子を大事に思う気持ちは変わらない。
再び結ばれることはないかもしれない。でも、同じ方向を見て「人生の伴奏者」として歩いていくのだろう。
とわ子と元夫たちを見ていると、そんな風に思えるんです。
【とわ子がたどり着いた場所こそが「正解」】
3度の離婚を経験した上に、母とかごめという大切な人を失ったとわ子は、
「私の『好き』は、その人が笑っててくれること。笑っててくれたら、あとはもうなんでもいい」
という思いにたどり着きました。
どんな関係性であれ「笑っててくれたらいい」……これって最上級の「愛」じゃないでしょうか。
また今作では、全編通して「壊れた網戸=直してくれる人が結婚相手」というメタファーが出てきたのですが、
・最終話で父(岩松了さん)が網戸を直す→父との確執が緩和
・とわ子も、自分自身で網戸を直せるように
という展開で幕を閉じていて、とわ子の選んだ「正解」はこれなのだと思わせてくれる演出が見事~~!
人はどうしても「こうあるべき」と思いがち。けれど今作を観ていると、「こうあるべき」なんてものはないんじゃないかと思えてきます。
いつかまた、どこかで、とわ子&元夫たちと会えるといいな……。
参照元:カンテレ、Instagram @omamedatowako、Twitter @omamedatowako
執筆:田端あんじ (c)Pouch
▼最後まで可愛い元夫エピソード(笑)
【現場より】
元夫ボウリングですが、どう倒れるか、誰が誰に倒れかかって、どのタイミングでカーンというか、配置などなど、あれは元夫たちが三人で話し合ってできたものです。「ぼくたち、初めて演技プランを話し合いました!」とニコニコして言われました。#まめ夫
— 大豆田とわ子と三人の元夫 11/5(金)Blu-ray&DVD BOX発売 (@omamedatowako) June 15, 2021