Hello! 海外で暮らす私・香月実穂が現地で感じた「日本ではありえないこと」や「驚くこと」を紹介するよ!
アイルランドに住んでいたころ、友人に「Seaweed Bath(海藻風呂)」に誘われたんです。日本だと海藻って “食べるもの” だけれどお風呂に入っているってこと?
気になったのでチャレンジしてみたら、そこには人生で体験したことない昆布まみれのお風呂がありました。
【アイルランドを横断】
私が訪れた「Enniscrone Seaweed Baths」は、首都・ダブリンからは車で約3時間。
北西部スライゴ(Sligo)の港街エニスクローン(Enniscrone)の近くにあります。
バスだと何本か乗り継いだり、5~6時間かかったりするので、可能ならば車で行くことをおすすめします。
「アイルランド人でさえも行かないような辺境にある」と言われているそうなのですが、これで意味が分かりました……。
【地元民に愛され続けて100年以上!】
「こんなアクセスの悪い場所に行く人いるか〜?」と疑っていたのですが、到着してみるとたくさんのお客さんが!
お店の方いわく、創業1912年と長い歴史のあるお店で地元のお客さんが多いんですって。
価格は1時間で、1人部屋が25ユーロ(3625円)、2人部屋は40ユーロ(5800円)から。共に海藻風呂+スチームサウナ、タオル代込みです。今回は2人部屋を利用しました。
【初めて嗅ぐ強烈なニオイ】
昆布はその日に収穫したもの、海水は100℃で殺菌消毒済み。1回ごとに使い捨てなので衛生面も安心!
しかし、部屋に入った瞬間にまず感じたのは……強烈な昆布臭!!!
昆布ダシは良い香りですが、そこに海水が合わさっているかんじで、部屋全体にムワッっと鼻に残るニオイが広がります。
それもそのはず、昆布がバケツ1杯分も使われているのです。
未知との遭遇にワクワクしていたら「まずはスチームサウナで身体を温めて」ですって!
はやる気持ちを抑えて、まずはサウナに入ります。
【裸で入るより恥ずかしいサウナ】
部屋のすみ置かれていた木箱がサウナだそうで、開けてみると湯気がもくもく! なんでも110年前の創業当初から使われている年代物なんだそう。
顔を出して入るので、私がいつも感じていた “顔周りが熱くてキツイ” 問題を解決できる画期的なサウナでした。
でもこの光景、はたから見るとシュールですね(笑)。身体は見えていないのにちょっと恥ずかしい気持ちに……。
でも、じんわり身体が温まって気持ちいい~♡
【まるで海の中にいるみたい】
サウナで身体を温めたら、やっと湯船に浸かるときが来ました。
40℃ほどに温められた海水は適温。10分もすると強烈に感じていたニオイにも慣れてきました。
浴槽の底にはジャリっと砂がたまっているし、やっぱりニオイはするけれど、長旅の達成感からかそれすらも「自然っていいよね!」と思えるほど気分が上がる〜♪
昆布のヌメヌメのおかげで海水にとろみがついて、全身がとぅるとぅるに♡
お湯が冷めてきたな〜とおもったら蛇口をひねりましょう。好きなだけ “追い海水(お湯)” ができますよ!
【ニオイ以外にも気になることが】
気になったのは……湯船が大きすぎること。
私は身長165cmなのですが、浴槽で全身を伸ばしてもまだ足が浴壁に届きませんでした。
昆布のヌメヌメは気を抜くとズルっと滑りやすい状況でリラックス気分がちょっと半減……。
【クセになる海藻風呂】
入浴後はお肌がすべすべ、しっとり! 身体がしっかり温まりポカポカがいつもより長く続いたような気もします。
ニオイや大きさには驚いたけれど、人生で初めて経験するワクワク感があり、実はもう2回目を体験したほどクセになりました。
気軽には行けない場所だけれど、もし機会があったらぜひチャレンジしてみて!
※1ユーロ:145円(2022年10月23日現在)
※2021年6月に取材したものです。
■今回紹介した店舗の情報
店名 Enniscrone Seaweed Baths
住所 Enniscrone, Co Sligo, Ireland
夏季時間(6~8月) 10:00〜21:00
冬季時間(9~5月) 12:00〜20:00(土日は10:00~20:00)
定休日 無休(11月~4月のみ火曜・水曜休み)
参考リンク:Enniscrone Seaweed Baths, Googleマップ
撮影・執筆:香月実穂
Photo:(c)Pouch