簡単そうに見えて意外と工程が多く、作るとなると手間がかかる「キッシュ」。
市販のものをうまく使えば気軽につくれるけれど……上手に作れたらカッコいいだろうなあ〜。「得意な料理はキッシュ」なんて言ってみたいものです。
普段は時短やお手軽なものに目がない私ですが、今回はあえて手間暇をかけて本気のキッシュに挑戦してみようと思います。ピエール・エルメ公式レシピ「ベーコンと長ねぎのキッシュ」をつくってみました!!!
【意外と馴染みある材料です】
用意した材料はこちら。
・薄力粉
・バター
・塩
・牛乳
・米(重し用)
・卵
・生クリーム
・塩
・コショウ
・ナツメグ
・ベーコン
・長ねぎ
・チーズ
・バター
型は15センチのタルト型を使用しました。
材料の数は数は多いけれど、意外と馴染みあるものばかり。ただ、チーズは「グリュイエールチーズ」を使用する……とのこと。
【グリュイエールチーズとは?】
初耳なのでリサーチしてみると、グリュイエールチーズというのはでキッシュをつくる時の定番チーズのようです。でも日本ではなかなか入手しづらいみたい。
比較的入手しやすいグリュイエルチーズの代用品はエメンタール、ラクレット、コンテとのことなので、今回は「コンテ」でつくってみました。
コンテはほっくりしていてワインが飲みたくなるような重量感のあるチーズです。ひと口サイズのキューブをおろし器で粉状にしました。
【パイ生地は踏ん張りどころ】
薄力粉、バター、塩を指でつまむようにそぼろ状にしてから、真ん中にくぼみをつくり牛乳を加え、手で混ぜ合わせてひとまとめにしたら、30分休ませます。
休ませた生地を綿棒で伸ばしたら、バターを塗っておいた型に敷き込み再び30分休ませます。
生地の底面にフォークでまんべんなく穴を開けたら、クッキングシートの上から重石として米を載せて、175度のオーブンで20分焼き上げます。
……が、家庭用のオーブンの場合、170度の次は180度と10度刻みが多いのでは。うちにあるオーブンもそうなので、180度で予熱し170度で焼いてみることに。
公式の温度とは若干違うけど、なかなかいい感じに焼けました。
しかし実は、ここでちょっとしたトラブルもありました。重石に使った米の移動が難易度ウルトラCすぎたんです。
クッキングシートの端をしっかり持ち上げれば簡単に移動できると思ったのですが……米の重さでシートがたわみ、どうしても端からポロポロとこぼれ落ちてしまいました。
こぼしてしまったお米は、ひと粒ひと粒ていねいに拾うしかありませんでした。このとき、焼き上がってまだ柔らかさの残る生地を凹ませないように慎重に。
この重しは塩でも代用できるそうですが、こぼしてしまうことを想定するとあまりおすすめできないかも。
パイ生地って難しいのね……。すでに焼き上がっている型や冷凍パイシートを使えば手を抜ける工程なのですがこのパイ生地さえ完成すればこっちのものなので、ぜひ踏ん張りたいところです。
【卵液&具材は楽勝デス】
つづいてはキッシュの中身を調理。公式Instagramに掲載されている動画を真似して、菜箸ではなくフォークでかき混ぜてみると、よりきれいに卵がほぐれました。この技は日常の炊事にも活用できそうです。
具材はベーコンブロックと長ねぎ、という超シンプルなチョイス。こんなおしゃれな長ねぎの使い方ってあるんですね、と関心しつつも、フライパンでじゅうじゅう焼いていると、ねぎまが食べたくなりました。いかんいかん。
【170度で35分焼き上げていくよ】
焼き上がったパイ生地に、チーズ→ベーコン&長ねぎ→卵液を順に注いで170度で35分。
全体に焼き色がついたら完成です。ケーキークーラーなどにのせて少し冷ましてから型から外します。
【作業時間3h超えでも大満足な味に】
切り分けて食べてみると、パイ生地はしっかり塩味がついてて、音が鳴るほどサクサク。長ねぎはシャキッと食感で噛むとじゅわ〜と甘みが広がります。
そしてその甘さを完璧に受け止めてくれるのは、食べごたえのある大きさにカットしたベーコン。
さらに底に敷き詰めておいた本気のチーズのコクがズルすぎるっ!!!やはりピザ用のミックスチーズやとろけるチーズで妥協しなかったのが功を奏しています。
全体を包みこむ卵はふんわり優しく、まるでプリンのような柔らかさ。焼きたてだとバターのいい香りに癒やされるし、油っぽさもありません。具の種類が少ないかなと思ったけれど、これで十分でした。
材料を計量するところから型から外すまで、実際の作業時間は3時間オーバー。
ブランチに間に合わせるなら、前日に用意しておいたほうがベターですが出来栄えにはとても満足。これまでに食べたキッシュの中で間違いなく1番の美味しさでした!
ここぞという勝負時に、本気を出したい休日に、ぜひつくってみてください♪
参考リンク:ピエール・エルメ、Instagram
撮影・執筆:黒猫葵
Photo:(c)Pouch