ネット販売や電子書籍の普及などに伴い、ここ数年で、街の本屋さんが急激に減少しました。
こうした書店不足を解消するため生まれたのが「思い出書店」というアイディアです。なんでも、お金ではなく「思い出」を交換するようなのですが……それっていったいどういうこと!?
【「思い出書店」とは】
出版文化産業振興財団の調査によると、書店がない自治体は全国で27.7%、沖縄県に至っては56.1%にもおよぶのだとか(2024年時点)。こうした社会背景をふまえて「思い出書店」が登場しました。
利用者は、本に「思い出を記した帯」を巻いて、思い出書店に設置された本棚に預けます。そして、ほかの誰かの思い出が書かれた本と交換して持ち帰ります。
■利用方法
①帯に本の思い出を書いて本に巻く
②帯に印刷されているQRコードを読み取り、思い出書店の公式LINEから本のタイトルと書影を登録する
③交換したい本のIDを入力する
④本を持ち帰る
【3つの特徴】
「思い出書店」の主な特徴はこちらの3つ!
①「思い出」がつづられた帯
思い出書店に並ぶ本の帯には「かつて持ち主だった誰か」の思い出が添えられています。つまり、本のタイトルでも著者でもなく、「思い出をきっかけとした本との出会い」を楽しめちゃうというわけです。
②お金で買うのではなく「交換」
思い出書店は売買ではなく「交換制」。書店にある本が誰かに交換されると、公式LINEを通じて交換相手からのメッセージが届きます。
③どこでも誰でも「古本屋」を始められる
帯と公式LINEのシステムを使うことで、数冊の本さえあれば、誰でも古本屋を始められる! カフェ、雑貨屋さん、公民館や病院などでも運営することができます。
【こんな楽しみ方ができます】
本との出会いだけでなく、本の持ち主の思い出とも出会える「思い出書店」。1冊の本が、人と人とをつないでくれると思うと、なんだかドラマチックですよね!
公式WEBサイトでは、思い出で本の検索をすることができます。「本がこれまでどんな人に交換されてきたのか」「ある人がどんな本を交換してきたのか」という履歴も辿れちゃうんです。
現在は沖縄1拠点のみで運営しているという「思い出書店」。拠点を全国に広げるため、「READYFOR」にて継続寄付型クラウドファンディングを実施しているので、こちらもチェックしてみて♪
参照元:思い出書店、READYFOR、プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch