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満島ひかり×岡田将生主演映画『ラストマイル』は期待通りの面白さ!登場人物が多くても混乱しない理由は?

4日前

【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップするのは満島ひかりさん、岡田将生さん主演映画『ラストマイル』(2024年8月23日公開)です。

人気ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』の塚原あゆ子監督と脚本家・野木亜紀子さんがタッグを組んだノンストップ・サスペンス・エンターテインメント作品。試写で観ましたが期待通りの面白さでしたよ!

では、物語から。

【物語】

流通業界最大のイベント「ブラックフライデー」の初日前夜。世界規模の大手通販サイトから配送された荷物が爆破する事件が発生。それを発端に次々と爆破事件が起こります。

センター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかりさん)とチームマネージャーの梨本孔(岡田将生さん)は部下と共に、巨大倉庫にある爆弾が仕掛けられた荷物と犯人を探すため、奔走することになるのです。

【届いた商品が爆発…!?】

私たちが普段、気軽にポチッとお買い物をしている通販ですが、この映画では冒頭、配達された商品を開いた途端にドーンと爆発するんです、怖い!

1度でもそんなことが起きたら「もしや倉庫にまだ爆破する荷物が」と物流を止めると思うんですが、通販会社のセンター長エレナは「物流は止めないっ!」と断固拒否。

「止めずに爆弾が仕掛けられた荷物を探すのよっ」と。たしかに物流を止めたら困る人は大勢いますが、そんなこと言っている間に次々とトラックは荷物を積んで出発。そしてまた爆破が……。いきなりドキドキがMAX状態ですよ。

【犯人は巨大倉庫にいる?】

配送中に爆発物が仕掛けられることも考えられるものの、犯人探しは巨大倉庫を抱える通販会社内メインに捜索されます。大量のバイトを雇って箱詰め作業をしてもらっているため、その作業中に爆発物を仕掛けられないことはない……。でも、誰がどんな目的で?

この真相にジワジワと迫っていく工程で、意外な人物が容疑者になったりして、真相が二転三転していくんです。犯人探しのスリルと、いつ爆破が起こるかというド派手なスリル。両方に観客を巻き込んでいき、ハラハラさせてくれるんですよ〜。

そして石原さとみさん、窪田正孝さんなど『アンナチュラル』、綾野剛さん、星野源さんなど『MIU404』の人気メンバーが登場して捜査に協力するという展開がまた胸アツで。両ドラマのファンは歓喜でしょう!

【登場人物全員がキャラ立ちしている奇跡!】

とにかく映画の構成がすごく良い! 物語のメインステージは大手通販会社。そこでエレナとチームマネージャーの梨本が、怪しい人物を割り出す作業と配送会社とのコンタクトを取り続けます。ここを基地にして関係者が枝葉のように各地に分かれて存在するのです。

配送会社の社長(阿部サダヲさん)、日本支社のエレナの上司(ディーン・フジオカさん)、配送会社のドライバー、警察関係者、宅配を利用する家族など、多くの人物が登場しますが、ちゃんとキャラクターとして立ち上がらせているのが見事。

なぜ宅配ドライバーをしているのか、配送されるプレゼントに込められた気持ちなど、ひとつひとつがエピソードとして丁寧に描かれています。だから登場人物が多くても混乱することがありません。さすが野木さんの脚本、隙がないし、わかりやすいんですよね。

また満島ひかりさんと岡田将生さんが演じるエレナと梨本の関係性の変化、それぞれのワケありの過去も興味深く、ぐいぐい引き込まれてあっという間の128分! いや〜面白かった〜!

年齢問わず楽しめる作品なので、ぜひぜひスクリーンでお楽しみください。

執筆:斎藤香(C)Pouch
Photo:(C)2024 映画『ラストマイル』製作委員会

ラストマイル
(2024年8月23日より全国ロードショー)
監督:塚原あゆ子
脚本:野木亜紀子
主題歌:米津玄師「がらくた」
出演:満島ひかり 岡田将生
ディーン・フジオカ / 大倉孝二 酒向芳 宇野祥平 安藤玉恵 丸山智己
火野正平 阿部サダヲ
「アンナチュラル」:石原さとみ / 井浦新 窪田正孝 市川実日子 竜星涼 飯尾和樹(ずん) /薬師丸ひろ子 松重豊
「MIU404」:綾野剛 星野源 / 橋本じゅん 前田旺志郎 / 麻生久美子

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