
先日、大賞が発表された「2026年本屋大賞」。1位に朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』が輝きました。
過去の大賞受賞作品やノミネート作品を見ていると「若い人向けの本が多いのかな?」と思う人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。
今回は今年のノミネート作品10冊を読破した私が、40代以降の大人世代におすすめしたい3冊を厳選してご紹介します!
※記事のリンクより購入いただくと、売上の一部がPouchに還元されることがあります。
【大人世代におすすめの3冊】
■『熟柿』(佐藤正午)
今年のノミネート作品の中で、40代になった今の自分にいちばん刺さったのがこちら。
ある激しい雨の降る夜、老婆をはねて罪人となってしまった女性の17年におよぶ軌跡を描いた物語です。贖罪の気持ちを抱きながら、最愛の息子と再会できる日をただただ願って流浪の身として生きる「かおり」の姿には読んでいて涙が止まりません。
タイトルの「熟柿」とは、「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと」。本書で投げかけられる生きることの厳しさやそれでもあきらめることのない再生への希望は、人生中盤にさしかかった私たちだからこそ心に訴えかけるものがあります。
■『エピクロスの処方箋』(夏川草介)
2024年本屋大賞にノミネートされ、映画化も決定している医療小説『スピノザの診察室』の第2弾。
京都の街を舞台に消化器内科医の雄町哲郎が医師として働く姿が描かれますが、そこには派手な救命シーンも奇跡の回復劇もありません。人の命と幸福を第一に見つめる雄町の真摯な姿勢に、患者だけでなく読者も癒やされることでしょう。
戦うばかりの毎日に疲れた大人世代にそっと寄り添ってくれる一冊。雄町先生みたいな医者が自分の周りにもいたら……と願わずにはいられません!
■『PRIZE―プライズ―』(村山由佳)
癒やし系より同年代がガンガン攻めてる話が読みたいのよ! という方にはこちらがおすすめ。
天羽カインは出せば売れるベストセラー作家。しかし、お金も人気もある彼女が、喉から手が出るほどほしいのに獲れないのが「直木賞」でした。本書は、そんなカインのあがく姿とともに、出版業界や作家たちの内情について描き出したスリリングな一冊です。
カインの年齢は48歳ということで、私とほぼ同年齢。「こんな作家がそばにいたら担当編集は大変だろうなぁ」などと思いながらも、自身の欲望に忠実に突き進むカインの姿にはいっそすがすがしさすら感じられ、生きるチカラをもらえるかもしれません。
【読書の楽しみを味わおう】
以上、40代以降の大人世代にこそおすすめしたい2026年本屋大賞ノミネート作品3冊をご紹介しました。
皆さんが興味をそそられた作品はあるでしょうか? もうすぐゴールデンウィークでお休みが増える時期。時間を作って読書にどっぷり浸ってみるのもおすすめです♪
参考リンク:本屋大賞 公式サイト
執筆:鷺ノ宮やよい