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登場人物みんな『ばかもの』な映画 [最新シネマ批評]

2010年12月17日


[公開直前☆最新シネマ批評]
毎週金曜日は、映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。本日は明日公開の『ばかもの』。

成宮寛貴と内田有紀主演のラブストーリー『ばかもの』。原作は芥川賞作家の絲山秋子氏。ということは物語はしっかり練られ問題ないだろうと想像できますが、それがどこまで映像として訴えるものになっているかがポイント。

監督は『デスノート』の金子修介氏。エンタメ系の監督、『ガメラ』も撮っていた……だ、大丈夫かしら? という不安ははずれ、これが大丈夫どころか渾身の一作となっておりました!

舞台は群馬県。大学生の秀成(成宮寛貴)は、居酒屋で知り合った額子(内田有紀)に童貞を奪われ、そのまま彼女にのめり込んでいくが、彼女はほかの男と結婚。秀成を捨てて去っていく。秀成は彼女が忘れられずアル中になり、新しい恋人も仕事も失い……。

人間ってばかな生き物なのだ。女が忘れられず落ちて行く主人公、青年の未来を奪って後悔するヒロイン、主人公を甘やかす両親、自分勝手な姉、男に依存してダメになっていく恋人、宗教にハマっていく同級生……。みんなダメじゃん! と思いつつ、じゃあ、酒も飲まず、ワガママも言わず、親が認めた人と正しい恋愛をして、困ったことなど何も起こらない人生が面白いかっていったら、そうじゃないだろう。

ばか! だけど愛おしい。ばか! だから成長がある。その成長過程こそ人生なのかしらん……そんなことを珍しく真面目に考えてしまいました。

ちなみに成宮さんと内田さんのからみが「エロい」と評判のようですが、エロさより、内田さんの抜群のスタイルに目を奪われちゃって。おそらく全国の女子が「うらやましい」と羨望の眼差しになるはず。あの贅肉のないボディは凄い!(映画ライター/ 斎藤香)


『ばかもの』
公開:12月18日(土)、有楽町スバル座、シネマート新宿他全国ロードショー!
監督:金子修介
出演:成宮寛貴、内田有記、白石美帆、中村ゆり、浅田美代子、池内博之ほか
配給:ゴー・シネマ
(C)2010「ばかもの」製作委員会

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【斎藤香のプロフィール】
映画誌の編集者を経て、フリーのエディター&ライターに。
好きな映画はシニカルなコメディとミステリー系。好きな監督はウディ・アレン。
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