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実写版『忍たま乱太郎』の映画化は、なんと『十三人の刺客』の撮影現場から始まった!【最新シネマ批評】

2011年7月22日

[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します

今週のピックアップは明日23日(土)公開の実写版『忍たま乱太郎』! NHKで19年続く人気TVアニメ期待の実写化。

主演はこども店長こと加藤清史郎、監督はなんと三池崇史! そして子供向き映画と思いきや、大河ドラマもビックリ仰天の超豪華キャストがズラリ。ベテランから若手まで人気俳優たちが「誰?」と思うほどの特殊メークをほどこし、忍者たちに大変身する、にぎやかで楽しいこの夏休み映画。実は苦労のあと、驚くほどの幸運に導かれて完成した映画なのです。

『忍たま乱太郎』実写化にあたり、まず原作者である尼子騒兵衛氏を口説くことになった中沢プロデューサー。尼子先生と何度も何度も話し合う中、ふと「映画の現場をご覧になりませんか?」と先生を誘ってみた。そのとき中沢氏が手掛ける『十三人の刺客』が撮影真っ最中だったのです。

現場でチラリと挨拶をかわした尼子先生と『十三人の刺客』の三池監督。そのとき三池監督は『忍たま~』の監督候補のひとりではあったけど、監督のスケジュールは先々までギッシリ! 尼子先生は三池監督の演出を食い入るように見つめており、その姿を見たスタッフは「三池監督がやってくれたらいいけど、無理だろうな~」と思っていたそうです。

監督よりも先に主演の乱太郎役に加藤清史郎くんが決定。しかし、ここでまた監督問題が浮上! 加藤くんは現役小学生。撮影は夏休みに限られる。夏休み期間限定で監督してくれる人いるのか……と製作陣は悩む。時間ばかりがどんどん過ぎてゆき、焦りを見せていた製作陣のもとに、朗報! 三池監督サイドより、夏のスケジュールがあき、依頼を引き受けてくれるとの連絡が入ったのです。こうして「忍たま乱太郎×加藤清史郎×三池崇史」という理想のコラボレーションが決定したというわけ。

三池監督が決定すると、出演を希望する俳優たちが続々と現れる。あんなに悩んでいたのがウソのように幸運が続き、オールスターキャストが実現! 「怪我や事故のないように。子供たちに最高の夏休みを!」という監督の掛け声のもと、クランクイン! そして無事『忍たま乱太郎』は完成したわけです。

映画はアニメさながらのギャグ満載! 子供の大好きなウ○コのネタなど盛りだくさんですが、後半は乱太郎のあきらめない強い気持ち、勇気と元気がスクリーンいっぱいに広がります。そのパワーはなでしこジャパンに負けないほど! 清史郎くんの熱演&スターたちの怪演も大いに楽しんでくださいね!

(映画ライター・斎藤香



『忍たま乱太郎』
7月23日より全国ロードショー
監督:三池崇史
出演:加藤清史郎、林遼威、木村風太、平幹二朗、寺島進、三浦貴大、山本耕史、古田新太、杏、中村玉緒、柄本明、石橋蓮司、山本裕典、石垣佑磨、竹中直人、中村獅童、壇れい、谷原章介、鹿賀丈史、松方弘樹
配給: ワーナー・ブラザース映画 カラー
(C) 2011実写版「忍たま乱太郎」製作委員会

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