TOYOTAのCMは今、海外向けのほうが断然面白い。
その噂はどうやら本当だったようです。今やエコカーの代名詞ともなったTOYOTAのプリウス。その全米放映用に作られたCMの、芸術的かつユニークな映像をご紹介しましょう。
夜明けと共に起き、眠そうに歯磨きをするひとりの男性。どれにしようかな、と洋服を選んで、パンで朝食。とまあ、一見よくある朝の風景に見えますが、今一度、目を皿のようにして男性をよーく見てみてください。そこで動いているのはひとりの男性などではなく、目も鼻も口も、額も手も足も、みーんなひとりひとりの人間なのです!!
このユニークなCMを作ったのは、日本人ディレクターのMr.Hideこと、細野ひで晃氏。細野氏は、日本でも多くのCMやMV、そして映画などを手掛ける超売れっ子監督です。細野氏が手掛けるTOYOTAのCMは、これまでも生物やモノを擬人化したものが多く、今回のCMはその最たる形『人で、人を作る』というもの。
そして注目すべきなのは、この『多くの人間が集まった、ひとりの人間』がCGなどではなく、全て人力だという点です。前後上下に動く骨格のみのマシンに、人間がひとりずつ複雑に絡まりながらパーツと化していきます。彼らのほとんどがダンサーであり、中にはラスベガスのシルク・ド・ソレイユのキャストまでいたのだそう。
みんなの動きを合わせるためにリハーサルに使った日にちは、なんと5日間。そのほか巨大な人間に合わせて作られた特大サイズの家具や、遠目から家を撮影するために作られたミニチュア模型など、CMに関わるもののなにからなにまでに手が込んでいます。
これはもはや、CMという枠を超えた芸術作品。「なんで、どうして、日本では公開してくれないの?」と、ちょっぴり悲しくなってしまうほどです。
(文=田端あんじ)
参考元:youtube.com(http://goo.gl/TwrJY )