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干物女も絶対結婚したくなる!! 人気ドラマの映画化『映画 ホタルノヒカリ』【最新シネマ批評】

2012年6月8日


[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、6月9日公開の『映画 ホタルノヒカリ』です。干物女を全国区にした人気ドラマ「ホタルノヒカリ」の映画化で、ドラマでは縁側でゴロゴロしている蛍とぶちょおが、新婚旅行でイタリアへ行き、大騒動! というストーリー。

ちなみに干物女とは、ジャージ姿で、ビール飲みながら家でゴロゴロするのが大好きと言う女子たちのこと。これが女性の共感を生み「大きな声では言えないが、私と一緒」と原作漫画もドラマも人気が出たのです。

「ホタルノヒカリ2」で干物女の恋は結婚という決着を見せたので、本作はまさに番外編です。映画は、ドラマが好評を博したので声援してくれたファンへのご褒美のような印象がありました。

イタリアの観光地はばっちりだし、綾瀬はるか演じる蛍はイタリアへ行っても期待通りの干物女。「ここで~?」というような場所でゴロゴロ転がっています。ぶちょおとの丁丁発止のやりとりも健在ですから、ドラマファンは満腹感を得られるでしょう!

それにしても、まさか干物女がスクリーンデビューするまで成長するとは驚きです。これはひとえに20代の干物女に目を付けた原作者でもある漫画家ひうらさとる氏の功績大でしょう。

「彼女たち、口では “彼氏ほしいですよー、結婚しなきゃヤバイですよね!” と言いながら、焦りや具体的な行動が見られないんです。趣味など自分の世界は確立しているけど、それを必要以上に自己主張することもなく、仕事を含む生活スキルはそこそこのラインをキープしているので頑張り過ぎない。今までの私なら、頑張って頑張ってステキ女子になるサクセス恋愛ものにするはずですが、これは干物のままで恋愛市場にうっかり乗り出してしまった主人公にしようと思いました」

頑張る女子に共感する人もいるけれど、その逆に頑張りが面倒臭いという人もいる。どっちかといえばマイノリティ派に目を付けたつもりが、そっちがいまやメジャー派になっていたという……。だから「ホタルノヒカリ」は漫画もドラマも大ヒットしたのですね!

そして映画とドラマでは、そのダメダメな干物女を美しい綾瀬はるかが演じているのもポイント高いです。あんなに可愛くて素敵な人が「実は干物女」ってところがファンタジー! 綾瀬嬢の好演により、干物女がキラキラと輝き、一気にイケてる存在になったのです。

映画の完成披露試写会で、藤木直人氏が「ほとんどが縁側でゴロゴロしているだけの二人の物語だったので、これを映画にする必要があるのか?と思った」と言っていましたが、スクリーンで、綾瀬はるか嬢のキラキラした干物っぷりはイタリアの地でも輝いていましたよ。まさに、かわいい怪演! あの独特のしゃべり「ぶちょお」「いいですにゃ~ん」や天然の勘違いに、全国の干物女たちは「どこに行っても蛍は蛍。干物女は干物女よ」と安心するのでしょう。

いま日本では結婚率が低下していて、30代、40代の独身が男女ともに多くおります。結婚しない族は確実に増えている。その原因は「恋愛が面倒くさい」という干物女が増えていることも無視できません。

でも、この映画の干物女の蛍はしっかり結婚しましたから、彼女にならって理想の王子様ぶちょおを探す干物女が増えれば、世の中に幸せな第二の蛍が続々と生まれることもあり! この映画を見て、干物女たちもそんな気分になっちゃうかもしれませんね!

(映画ライター=斎藤 香


『映画 ホタルノヒカリ』
2012年6月9日公開
原作:ひうらさとる「ホタルノヒカリ」(講談社KC Kiss)
監督:吉野 洋
出演: 綾瀬はるか、 藤木直人、 手越祐也、 板谷由夏、 安田顕、 松雪泰子
(C)2012「映画 ホタルノヒカリ」製作委員会
参照元:ひうらさとる公式HP(http://www.satoru-h.com/hotaru/index.html)

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