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【女子のんべえ部】猛毒食材を堪能! 「ふぐ卵巣」のぬか漬が絶品なのであります/ 日本酒はもちろん白ワインとも相性抜群なのさ!

2012年6月22日


無類のお酒好きがあつまるポーチ編集部の「女子のんべえ部」! いつもならばウチ飲みにおススメの絶品料理レシピをご紹介するところですが、本日は絶対におうちで作れない、いえ、素人が作ったら大変なことになっちゃう、超~キケンな食材を使った絶品珍味をゲットしたのでご紹介します!

その超キケンな珍味というのは、フ グ! しかも、なんと「卵巣」でございます。

【猛毒フグの卵巣も食べちゃう、凄まじき日本人の食通文化】

えー、一説では、日本人と中国人が食べないものは「不味い」という説まであるようで……つまり美味しいものは、なんでも食べちゃうという食通大国というわけ。フグを食べる文化も、記者が知る限りでは世界で日本のみ(日本の真似をする海外の料理人もいるようですが、さばき方が甘く毒にあたりやすいとか……ひー)! 

世界中で倦厭されている猛毒魚を、なんとかして食べちゃうわけですから本当に日本ってすごい。しかも、今回は卵巣ですよ卵巣!!

え? 卵巣には毒がないのかって? いやいや、とんでもない。神経毒・テトロドトキシンをたっぷり含んでおりまして、そのまま食べると確実にあの世行きでございます。だから、みなさんは絶対に作ろうなんて思っちゃダメです。

【糠に漬けると毒がなくなる?】
でも、どうやって毒を抜いているのか気になりますよね! なんと、それはですね、「糠(ぬか)」や「塩」に漬けるだけなんです。数年漬けると、酵素で完全に毒が分解されるそうですが、未だに不明な点が多いんだそうな……(ゴクリ)。

しかも、地元では江戸時代から食べられている伝統食材。きっと食べられるようになるまで、犠牲者も多かったはず。解毒理由が不明というわけで国が禁止しようとしたのを、生産している地元が抗議して事なきを得たなんていう経緯もあるそうです。この食材に戦いの歴史ありです。

これを作るのが許されているのは、主に石川県白山市や金沢市の限られた地域の、ふぐ加工に関する資格免許を持つ業者。記者は数年前にこれに似た料理を作っているという新潟県佐渡島で偶然食べて以来、「ふぐ卵巣のぬか漬け」のとりこに。食べたくて仕方な~いと思っていたら、通信販売されておりました。もっと早く気づけばよかったかも。

【お酒と魚卵好きにはたまんないよ!】
さて、今回お取り寄せたのは、石川県白山市美川にある「荒与商店」の2年以上漬け込んでいるという「ふぐ子ぬか漬」(840円)。門外不出と思っていたので、意外にもリーズナブルな価格で拍子抜けです。

さっそく切って、食べてみると……。しょ、しょっぱい! さすが、2年以上もの。塩がしっかり浸透しております。さらに、ジワリジワリと卵と糠のコクが口いっぱいに広がる! んまーいっ!! 熱々の白いご飯と交互に食べると、それまで60%だった記者の幸福度が一気に80%にまで上昇。

【フグ卵巣糠漬をいろんな角度で楽しんでみる♪】
無類の酒好き女子のんべえ部というわけで、本日は、日本酒や果実酒など4種類のお酒を用意してみました。

はじめは食前酒として、あまーいシンルチュウ(杏露酒)をワイングラスに氷を入れてカンパーイ♪ 仕事のあとのご褒美ってかんじで、実に気分がいい! そして優雅! 女子のんべえ部はこうでなくっちゃ!

そこに、ふぐの卵巣を食べてみる。ときどき、レモン汁もかけてみる。いい! より食べやすい。レモン汁最高!

飲んで食べる。シンルチュウの上品な甘さと、年代ものの塩辛さがあいまって、完全に合う! 大変に贅沢な気分です! 満足度一気に100%。

お次は、日本酒を。今回は、記者が最初にフグ卵巣を食べた佐渡島がある、新潟のお酒「菊水の辛口」と、フグで有名な下関のお酒「海峡」をセレクト。はい。合わないわけがない!

菊水の辛口は、新潟酒らしい爽やかで飲みやすいながらも、しっかりコクがあるタイプで塩辛なフグ卵巣の後味をスッキリとリセットしてくれます。そして、さすがフグ名産の地域で作られた「海峡」は、やや独特の風味が特徴で、糠漬けフグさんもしっかりフォローしてくれる! ストイックなフグ卵巣をまろやかに楽しめましたわ。

さらにお茶漬けにしてみる。三つ葉と、梅肉も一緒にのっけてみる。

ぐふふ……これ、もうたまりまへんわー! 普通のお湯をかけただけなのに、凝縮されていたフグ卵巣の旨みがじゅわーっと溶け込んで、めちゃくちゃ良いダシになってます。塩気もちょうど良くなってる。さらに一緒に入れた梅肉が、いっそう華やかな風味にしてくれてます。ぐふ……天にものぼる心地ってこういうことを言うんだなあ。

【さいごは白ワインでしめくくり♪】
さて、ひととおり堪能したけれど、のんべえ女子としてはまだまだ飲んでいたい。

というわけで、登場したのが白ワイン。今回は、まろやかな口当たりのイタリアの「パスクア/ ビアンコ デル ヴェネト」にしました。当然というべきか、想像通り、めちゃくちゃ卵巣と合う! 口のなかで和と洋が融合しております。すっきりしているので最後に飲むお酒としてもピッタリですわ。

ふーっ。もうヘベレケ。今回も楽しかったよ、幸せすぎたよ、女子のんべえ部! もう、最高すぎなのです!

みなさんも、ぜひフグ卵巣糠漬け堪能してみてはいかがでしょ♪

(写真、文=メル凛子)
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▼食べ終わったあとも回想して楽しむ♪

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