映画『ビルマの竪琴』といえば、市川崑監督が2回も映画化した名作中の名作。1985年に公開された中井貴一主演のリメイク版も良しですが、白黒映画の1956年版も印象的でまたグッド。リメイクとはいえど、セリフはほとんどそのままなので、どちらを見てもオッケーです。
そんな『ビルマの竪琴』のなかに、とても気になる食べ物が2つ登場します。名前は「チャンナカ」。もう一つは「ガビ」。日本兵が物売りの老婆と物々交換するシーンに登場します。だがしかし、だがしかーっし!
モノの名前は出てくるのに、そのもの自体は映らないという、なんとも歯がゆいシーンなのです。映画中のシーンを文章で再現してみると以下のとおり。
【チャンナカ】
日本兵1「おいばあさん、このホウキでチャンナカをくれ」
老婆「はい交換」
日本兵2「なんですか?」
日本兵1「砂糖で固めた、菓子みたいなものだ」
【ガビ】
日本兵3「ばあさん、この靴下まだ新しいんだ。ガビと替えてくれ」
老婆「はい交換」
日本兵4「おい、ガビってなんだ?」
日本兵5「うまいのかそれ?」
日本兵3「塩辛みたいな味がするんだ」
これだけなのです。一体全体、どんなカタチをして、どんな味がするのかメチャクチャ気になる「チャンナカ」&「ガビ」!! ということで、『ビルマの竪琴』の舞台となったミャンマー(ビルマ)の市場で探してみると……いとも簡単に見つかりました!
まずはチャンナカ! 日本兵のセリフ通り、「砂糖で固めた、菓子みたいなもの」そのまんまです。原料はサトウキビで、砂糖の塊のような感じです。ガリガリとかじるとメチャクチャ甘い! ワイルドな砂糖菓子といった感じでした。
続いてはガビ! こちらは、いろいろな食材を発行させてペースト状にした調味料です。小魚のガビに、小エビのガビ。いろいろなガビがありまして、ミャンマー名物の麺料理「モヒンガー」をはじめ、ミャンマーの料理にはたいてい入っているそうな。ダシみたいなものでしょう。
そのまま食べるモノではなさそうですが、どんな味がするのか少しだけ食べてみました。すると……まさに「塩辛みたいな味がするんだ」そのまんま! ちょっと生臭いけど、塩辛い。日本酒と一緒に食べれば、いい感じに堪能できるかも!
『ビルマの竪琴』を見て疑問に思っていた人、これらが「チャンナカ」と「ガビ」ですよー! これから『ビルマの竪琴』を見る人も、「こんな食べ物なんだな」とイメージしてもらえたら幸いです。長年の謎が解けてスッキリしました!
(写真、文=ハトポン)
▼ガビはこんな感じで売っています!
▼すさまじくワイルド!
▼干物のコーナーに行けば売ってるよ!