なぜだかときどきムショーに食べたくなる味。懐かしくて行きたくなるお店。皆さんにもきっとあるんじゃないでしょうか? 学生時代を横浜で過ごした記者にとって、横浜中華街は思い出の場所。なかでも老舗「謝甜記」のお粥は、何年かに一度はどうしても訪れたくなる忘れられない味です。
先日、久しぶりに行ってみて変わらぬ味わいに感動したのでここでご紹介したいと思います!
ちなみに、「謝甜記」は本店と貮号店とがあるのですが、今回行ったのは貮号店のほう。中華街のメインストリートともいうべき中華街大通りから脇に入った上海路という通りにあります。
本店はかなり年季が入ったいかにも老舗の中華料理店といった趣ですが、貮号店のほうはかなり現代的でカジュアル。内装もカフェっぽくキレイです。
そしてなぜか店の前には大きなサンタクロースが。この時期でもいるということはきっと1年中いつ行っても佇んでいるのでしょう。パンダやブタじゃなくてサンタクロース。なぜ。
お粥のメニューはかなり豊富。鮑や貝柱、海老といった海鮮系から牛もつ、豚レバー、鶏肉といった肉系、小松菜入りの野菜のお粥など。全部で20種類近くの中から選べます。
今回、記者が頼んだのは海老、白身魚、イカ、野菜が入っている「ごもくかゆ」683円。
待つこと数分、キターーーーッ!! キタキタ、来ましたーーーーーッ!!!!
わっ、白い! 神々しいほどに白い! 湯気がたってておいしそうな香りが漂ってきます。レンゲですくっていただくと、トロットロアツアツのお粥が口の中に……ああ、胃に、体に染み渡る! クリーミーで柔らか、やさしい塩味。これは家で作るお粥ではけっして出せない味。だからこそ、ここまで食べに来る価値があるんです。
いったいどうしたらこの味が出るの!? その答えはこちら。生の米に乾燥カキ、乾燥貝柱、鳥一羽を丸のまま入れ約4時間煮込む。塩は「セル マラン ド ゲランド」というフランス産のものを使用しているのだとか。
具がまたよいアクセントになっていて、海鮮の旨味、小松菜のシャキシャキ感がたまりません。途中で味に飽きてきても大丈夫! テーブルの上にあらかじめ置いてある醤油やラー油を入れればまた違った味わいに。テーブルには陶器のポットに入ったジャスミン茶も置かれています。
普通サイズでもけっこうなボリュームなので、小食な人、他のお店でも食べたい人は中碗サイズでも十分かもしれません。
ああ、またしばらくしたらこの味に会いたくて時間をかけて来てしまうんだろうな。東京メトロ副都心線も横浜まで延びたことですし、ぜひ皆さんも足を運んでみては?
横浜中華街には中国料理店が200店舗以上あるといいます。どのお店に入ってよいか迷う方もいると思いますが、ここ「謝甜記」は自信を持ってオススメできる一店です。お粥以外の点心や一品物も意外とあなどれないおいしさ。創業の昭和26年から60年以上続く老舗のお粥、ぜひ皆さんもご堪能あれ!
■謝甜記 貮号店
横浜市中区山下町189-9上海路 辰ビル1階
TEL&FAX 045-664-4305
HPhttp://www.shatenki-nigouten.co.jp/
(文=鷺ノ宮やよい)
▼お粥の他に頼んでみた鶏の唐揚げ。ほのかにカレー味がついていて食が進むーっ!
▼お粥メニュー。どれにするか真剣に悩んでしまう……
▼同行者が頼んだのは「ごもく肉かゆ」。豚レバー、豚モツ、豚肉入り
▼「謝甜記」関係ないけれど、あまりにかわいくて途中で買ってしまった「パンダまん」
▼歩いているだけでも面白い中華街。吊るされているブタさんにビックリ