どうも、井上です。前回、念願の「子羊バンザイ検証」を行い、なんとか成功をおさめた私。
検証を終え、いそいそと帰り支度を始めた矢先、何か言いたげに私をじぃぃぃ……っと見つめる1頭の羊に気がつきました。なに、この不穏な空気。
次の瞬間、飼育員さんがこぼした言葉に思わず腰を抜かしそうになりました。
--「あ、破水してる」
あ、破水ね、そうですか。
……え? 「破水」?
--「はい、多分もう産まれますね」
うおぉぉぉぉぉぉ!!! なんというタイミング! 神様ありがとう! まさかこんな近くで出産を見守る日が来ようとは。自分の将来のためにも、この目に焼き付けるぞ。
次第に陣痛の痛みからか母羊の息遣いは荒くなり、よく見るとヌルヌルの膜をまとった赤ちゃん羊のひづめと鼻がのぞき始めました。目の前で起こっている、一般人からすれば非日常の光景に動揺しつつも、同じメスとして全身全霊で応援開始。
【出産に立ち会うこと数十分】
立ったり座ったり、ときには目をつぶり痛さに耐える母羊。そうして陣痛と休憩を繰り返すこと約40分。赤ちゃん羊の頭が全部出たのを見計らって、最後は飼育員さんが引き出すこととなりました。
「フンッ」と力を入れて引っ張ると、ヌルンッと赤ちゃん羊が飛び出してきました。少しのあいだ動かなかったため、一瞬最悪の事態も予想してしまいましたが、慣れた手つきの飼育員さんに逆さ吊りにされ口周辺に刺激を与えられると、赤ちゃん羊はこちらがびっくりしてしまうほど元気な声で叫び始めました。
「メェン!! メェン!!! メェェェェン!!!!!」
元気な男の子は、志村けんのような声で「メェン!! メェン!!」と母羊を呼んでいました。頑張ったね、お母さん。頑張ったね、赤ちゃん。ちょっと泣いちゃった。
(写真・文=井上こん)
▼ぶぐぁぁぁぁー!!! のあぁぁぁぁー!!!
▼……くうぅぅぅぅぅ
▼顔! 顔が出てきたぁぁぁぁ!!!
▼がんばれ! あと少しだ! よーし引き出すぞぉぉぉ!!!
▼見守る仲間たち(ゴクリ……)
▼出たぁぁぁぁぁぁー!!!!!
▼動いた!! ヨロヨロしてるぅぅぅぅ
▼すかさずお母さんがナメにかかる
▼あたたかいワラの上で過ごしましょうね