あ~寒い!! 冬って毎年こんなに寒かったっけ? と思うくらい寒い毎日が続いていますが、ワンちゃんオーナーの皆様、愛犬の防寒対策はどうしていますか? “犬は喜び庭駆け回る”んだから、寒さなんてへっちゃらでしょ? なんて思っている人は要注意。彼ら、意外と寒さに弱いらしいのです。
というわけで、今回は、海外サイト「Association of professional dog trainers」から、ワンちゃんと厳冬を過ごすための重要ポイントをご紹介します。意外と気づかなかった点が結構あるので要チェックだよ~!
ポイント1)動物病院で健康診断をし、アナタのワンちゃんがどのくらいの寒さまで耐えられるのか、確認しておきましょう。犬種によっても寒さへの対応能力が違うので、獣医さんにしっかり相談しておくと安心です。
ポイント2)小型犬、老犬、病気を持つ犬は、特に寒さに敏感です。
ポイント3)寒い環境に長時間いると、低体温症になる場合があります。震え、浅い呼吸、心拍数の低下、脱力感等があれば、低体温症が疑われます。
ポイント4)耳、しっぽ、陰嚢、足先に、皮膚の変色(赤、青、灰色等)、腫れ、水泡等があれば、しもやけや凍傷が疑われます。
ワンちゃんが凍傷にかかっているように見えたら、直ちにワンちゃんを温かいお湯の中に20分つけてあげてください。そして十分に体を温めてあげてから、毛布にくるんで獣医さんのところへ行きましょう。
ポイント5)凍結防止剤 – 車用凍結防止剤のエチレングレコールは、摂取すると死亡する危険のある毒物です。 犬には甘い魅力的な味なので、犬の手の届かない場所に置いてください。小型犬が摂取した場合、ティースプーン1~2杯で致死量に達してしまいます。使用中にこぼれてしまった場合は、犬が舐めないように丁寧にふき取ってください。
プロピレングリコールはエチレングレコールよりも安全なので、できればこちらを使いましょう。
ポイント6)融雪剤 – 道路の雪を解かすための塩や塩化カルシウムは、皮膚へ大きな刺激を与えます。お散歩から帰ってきたときには必ずワンちゃんの足をきれいにしてあげましょう。毛足の長いワンちゃんや、足の短いワンちゃんは、おなかの部分も忘れずに。
ポイント7)毛を頻繁に丁寧にとかしてあげましょう。もつれた毛は、毛の中に雪や雨を入り込ませやすくし、断熱効果も下がってしまいます。
ポイント8)毛を短く刈ったり、剃ったりすることは避けましょう。天然の毛皮がワンちゃんを守ってくれているのです。
ポイント9)ワンちゃんが室内の柔らかい床の上で過ごすことが多くなる場合は、爪も頻繁に切りそろえてあげましょう。
ポイント10)冬の間は、家の中でワンちゃんを洗い、外に出る前には完全に毛が乾いた状態にしてください。水を使わないタイプのシャンプーを使用してもいいでしょう。
ポイント11)外気温が下がっているときは、防水機能のセーターやコートを着せてあげましょう。
ポイント12)雪や、塩の上を歩かせるときは、ワンちゃんの足を守るためにブーツを履かせましょう。塩は足の先に付き、不快感を与えます。
ブーツを履きたがらないワンちゃんには、強硬手段的なトレーニングをします。足にブーツを履かせ、エサを与え、そして脱がせます。毎日これを繰り返し、少しずつブーツを履かせている時間を長くしていくと、ブーツに慣れてくれるでしょう。
どうしてもワンちゃんがブーツをはきたがらない場合は、散歩後に足を念入りに洗ってあげましょう。
ポイント13)寒い季節は必ずワンちゃんにリースを付けましょう。犬が迷子になる確率は、冬が一番高いという統計があります。池や川などの冷たい水に落ちてしまうこともあります。
ポイント14)凍傷や低体温症になることを防ぐため、寒い日は散歩時間を短くしましょう。
ポイント15)ワンちゃんに雪を食べさせてはいけません。お腹を壊すことがあります。また、雪に有害物質が隠れている場合もあり非常に危険です。
ポイント16)「待て!」の指示を的確に理解できるようにトレーニングしておくと、雪の中に凍結防止剤やその他の正体不明の物体があったときに、ワンちゃんを守ることが出来ます。
ポイント17)呼ばれた時に戻るようにトレーニングをしておくと、凍った河川やその他の危険からワンちゃんを守ることが出来ます。
ポイント18)散歩後は、足先にひび割れや外傷がないかチェックし、足の指の間の雪を取り除いてください。犬のために開発された足用クリームも効果的です。
ポイント19)戸外で飼っているワンちゃんでも、できれば冬の間は家の中に入れてあげましょう。
ポイント20)戸外でワンちゃんを飼う場合は、シェルターとなる犬小屋を必ず用意し、中には温かいベッドも用意してあげます。ベッドはクッションや毛布、古着等を入れて作ったふかふかの物を用意し、ノミや細菌の繁殖を防ぐためにも頻繁に交換して清潔にしてあげましょう。
ポイント21)犬小屋は、屋根が傾斜状になっていて、断熱材を使用してある温かいものをお勧めします。雨が多い冬には、犬小屋の入り口の上にも小さなひさしをつけ、雨が犬小屋の中に入らないようにしてあげましょう。
犬小屋の中に、温かいお湯を入れたペットボトルをタオルにくるんで入れておくと、小屋の中が暖かくなります。
ポイント22)外に置かれた水やエサはすぐに凍ってしまいます。保温効果のあるお皿がお勧めですが、電気コードがある場合は、ワンちゃんが触れない場所にコードを固定して下さい。
ポイント23)戸外で飼われているワンちゃんは、室内のワンちゃんよりも30%余分にカロリーを消費するので、エサも多めに与えてください。
ポイント24)外気があまりにも寒い時には、家の中に入れてあげましょう。物置の中でも犬小屋よりは数段温かいようです。
ポイント25)室内でも、運動をさせてあげて下さい。おもちゃを隠したり、ゴムボールを投げたり、可能であれば走り回らせてあげましょう。階段の上り下りはよい運動になります。
ポイント26)室内では、ストーブやヒーターに注意して下さい。しっぽや毛がヒーターに近づきすぎていないか、絶えずチェックしてあげましょう。また、ワンちゃんがストーブを倒して家が火事になってしまう危険もあるので注意が必要です。
ポイント27)冬の病気にも注意が必要です。人間同様、寒い時期には病気にかかりやすくなります。呼吸器系疾患、凍傷、そして毒物を飲みこんでしまうという危険もあります。 ワンちゃんの毛をよく乾かし、温かくしてあげると、風邪をひきにくくなります。
いかがでしたか? 備えあれば憂いなし。人間もワンちゃんも万全の備えをして、元気に冬を楽しみましょうね!
撮影・執筆=中野 麦子(c)Pouch
参照=Association of professional dog trainers