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高級天然トラフグを食べる機会が訪れたときのために押さえておきたい4つのポイント! 「ポン酢」「皮」「刺身」「骨周り」

2014年3月9日

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宴会での一品とか、居酒屋の単品料理なんかで時々目にするフグ料理。あれってフグはフグでも、高級とされる天然トラフグとはまったく違うフグなのだそう。

死ぬまでに一度、いや、一度と言わず二度、三度、その高級天然トラフグとやらをフルコースで食べてみたい! そしておいしく日本酒を飲みたい!

そんな高級天然トラフグを食べる機会が訪れたときのために、押さえておきたい4つのポイントがあるんだって。これは勉強しておきましょう。もしかしたら今日誘われるかもしれないじゃん!

■ ポン酢だけで酒が飲めるよ!

いきなりですが、身も蓋もないお知らせです。「お金さえ出せばいくらでもいいフグが手に入る」のだそう。あーあ、世の中結局カネなのね、ガッカリ……させません。お金だけではどうしても手に入らないもの、それは「ポン酢」

高級フグ屋さんのポン酢は手作り。使うかんきつ類も、かぼす・ゆず・すだち・ダイダイなどお店によって種類や配分が違います。「ダイダイをベースにして寝かせ、出す直前にスダチを絞る」とか「ほんのちょっとだけレモンを入れる」とか。知恵と手間と時間、もちろんコストも半端なくかかる! 手元の器には、そんなポン酢が惜しげもなく注がれているんです。アー、ポン酢だけでもお酒がすすむー!

ポン酢が美味しかったら、ぜひ板さんに伝えてあげてくださいね。フグを褒められるより嬉しいんだって。

■ 3種の皮で3杯飲めるよ!

フグには、ウロコがありません。代わりに、厚くてトゲのある皮が全身を覆っています。その皮の種類がなんと3種類! それは知らなかった! さきほどのポン酢と合わせていただきましょう。

1 鮫皮(さめかわ)別名:一皮(いちかわ)

「フグ皮の湯引き」といえば、まず頭に浮かぶのがこちら。一番外側の鮫皮は、ゼラチン質でプリプリした歯ごたえ。黒っぽいのが背中側、白っぽいのが腹側の皮。しかし、フグ皮はこれだけではなかった!

2 本皮(ほんかわ) 別名:遠江(とうとうみ)、ニ皮(にかわ)

鮫皮の内側にあるのは、本皮というプリンとした粘膜。小さいフグではこの本皮まで分けることができません。3キロ超のフグでしか食べられない貴重な本皮は、見た目はホルモン、歯ごたえもコリッコリでミノみたいな感じなのだそう。

なぜ遠江(とうとうみ)と呼ぶかというと、その内側にあるのが身皮(みかわ)だから。愛知県東部にある三河地方、その隣は遠江(静岡県)じゃん? っていうシャレなのでした。

3 身皮(みかわ) 別名:三皮(みかわ)
フグの本皮を剥ぐと、いよいよ身が表れ……と思いきや、まだ皮がある! 身をミクロの厚さでうすーく覆う、白いラップのような膜が身皮です。わざと身をつけて厚めに削いだ身皮は、刺身でもよし、軽く炙り焼きにしてもよし! アー! お酒がすすむすすむ!

■ 鼻から抜けていく香りで酒が飲めるよ!

いよいよ身の部分をいただきましょう。“てっさ” と呼ばれるフグ刺しといえば、お皿の柄が透けて見える薄造りを想像しますよね。でも、あまりに薄くしすぎると、ポン酢に負けてしまいます。自信のある高級フグ屋さんでは、少し厚めに提供するのだとか。

その刺身に、鯛のように赤いサシが1本入っていたら……わーい! そのサシは3キロ超えの証! かなり期待できるフグです!

刺身の盛り方も「牡丹盛り」「菊盛り」「孔雀(くじゃく)盛り」「鶴盛り」など様々。職人の技を鑑賞したあとは、薄造りなら2~3枚まとめて、厚めなら1枚ずつ召し上がれ。薄造りのときにつけるポン酢は、チョンと触れる程度でオッケー。

刺身をゆっくり、空気と混ぜるように噛んでいると、鼻からフグの香りがふうっと抜けていく……そこでお酒をゴクリとやれば、もはやコミュニケーションは不要です。無言でいただきましょう。

■ 箸など要らぬ! 骨までしゃぶり尽くそう!

フグって、筋肉質なんです。身の体脂肪率が0.1%と超淡白なので、油との相性がバツグン。から揚げも期待できちゃいますねー! 鳥皮のように弾力のある部分は、腹身です。フグには、他の魚のように内蔵を守る腹骨がないので、腹身が厚くてジューシー! 

骨の部分は迷わず手づかみでどうぞ。フグの旨みは、骨の周りに集中しています。お上品に箸を使うと、いちばんおいしいところを味わえません。逆に、箸で身が離れてしまうようなフグは、ちょっと残念な代物。から揚げが出てきたら、骨をチューチューをしゃぶる音しか聞こえなくなる……それでいいんです。もちろん、お鍋のときも骨周りは手づかみで。

よーし、ヒレ酒いっちゃうぞー!

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白子にヒレ酒に〆の雑炊にと、フグ料理を挙げていくとキリがない。でもこの「ポン酢」「皮」「刺身」「骨周り」の4つには、居酒屋の単品料理のフグにはない、高級フグ屋さんの本気を味わうことができるのです!

フグの旬は彼岸から彼岸まで。そろそろシーズンも終わりに近づいて参りました。この4つのポイントを確かめさせてくれる機会、どこかに落ちていないものでしょうかねぇ~。

撮影・執筆=綾部 綾 / 撮影=enomi (c)Pouch

▼ ヒレ酒も最高!

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