以前、筆者が取材をしたラーメン屋さんから「ダチョウ料理パーティをするので来ませんか?」と連絡があった。
ダチョウ料理!? え、なにそれ捌くの? 店内でダチョウ捌くの? それって衛生法とか何かの法律的に大丈夫なの? というかPouch的には記事化して大丈夫なの? と思い編集長に連絡したら「OK」のふたつ返事だった。
ということで、ダチョウ料理を食べてみましたよ!
三鷹台駅に降り立った筆者。突然、デジカメが壊れる。
もう不吉な予感しかしない。店内では、どんな恐ろしいことが行われているのか? マグロの解体ショーみたいな感じなのか? いや、でも魚と陸上の動物だったらグロ度は後者の方が上だろ多分。
記事のために自らトラウマを植え付けるとか、マゾヒストもここまでくると重症だわ……(デジカメ壊れたので今回は急きょスマホで撮影しました)などと思いながらお店の前まで行ったところ、
えらくポップでファンシーな、ダチョウ料理パーティを告知する張り紙が。「鳳(おおとり)Night DE 踊らナイト!!」ってアレか、あまりにも衝撃的すぎるので踊らないとやってらんないよ! ってことを暗に表現してるのか。
恐る恐る店内に入るも、ダチョウの姿は見当たらないどころか、みんなでDVD観てる。
どうやら、ダチョウ料理はコースで出てくるらしい。
店員さんにお金を払い、ダチョウコースを注文。「先日はどうも!」と声をかけてくれたイケメン店員さんに「ダチョウはどこにいるんですか?」と尋ねたところ、「こっちです」と厨房に案内される筆者。
きた。ついに、このときが、きた。中学生か小学生の頃に教科書で見た食物連鎖のヒエラルキーをイラストで表現された図を、生で目の当たりにし、感覚として実感する、このときが。
と、身構えながら店員さんについて行くと
市販品じゃねーか!!!!! パッケージに「ダチョウ」って書かれてないとなんの肉だか分かんないよ! さばいてよ! というか、なぜラーメン屋さんでダチョウ料理パーティを開催したの!? 色んな疑問はあるけどイケメン店員さんの笑顔でどうでもよくなりました!
……いや、よくない。見た目にインパクトがないのなら、つまるところ「味」が重要。なんとなくだけど、ダチョウ肉って獣の香りがしそう。処理が上手くできていない羊肉やイノシシみたいな。
コースだから、食べ終わらないと次に進めないのが厄介だわ。と思いながら、最初に出されたのは、
「ダチョウの生ハムサラダ ~年上の優しさを添えて~」
ちょっとだけ、しょっぱいけど、そこら辺で買える生ハムとほぼ一緒。繊維質が多い程度。普通としか言いようがない。しかし、「年上の優しさとは?」という問いを提供して下さった。
次。「ダチョウのソーセージポトフ ~自然と一体となりとて~」
しょっぱくはないけど、特筆すべきところがない。人も自然の一部である。我々は、それを日々意識しながら生きているわけではない。おそらく、「自然と一体に」の意味が重く込められている料理なのだろう。美味しかったです。
次。「ダチョウのユッケ ~キミをのせて~」
ダチョウ肉の上にウズラの卵が乗せられています。これは深い! 別々の境遇や思想を持った者同士でも相性次第で結ばれることもある! ということなのです多分。
次。最後。「ダチョウラーメン ~いわずもがな~」
ダチョウの骨でスープを作った一品。美味しいです。脂っこくなくて、とても食べやすい。父親が彼氏のことを「どこの馬の骨だ!」と言ってきたら「ダチョウの骨だよ」と返せば「了解」と言ってもらえるくらい人畜無害な味。
ということで! ダチョウ料理はどれもすごく美味しかったです! おそらく、業務用スーパーに行けば手に入ると思うので、ご自宅でもぜひダチョウ料理パーティをしてみて下さい!
ちなみに個人的な興味なのですが、「どこの馬に骨だ!」は都市伝説だと思っているので、父親に彼氏のことを「どこの馬の骨だ!」と言われたことがある方はご連絡下さると嬉しいです。
取材・撮影・執筆= シマヅ (c) Pouch