トルコのゴージャスな公衆浴場「ハマム」。日本の銭湯に近いイメージですが、銭湯よりもだいぶ豪華でエキゾチックな空間です。オスマン帝国時代の歴史ある建物を利用していることも多いため、厳かな雰囲気も魅力のひとつ。
さて、先日トルコへ足を運んだ際にハマム体験をしてきました。ガイドブックには「姫気分が味わえる」「極上気分でリラックス」と書いてあったことを鵜呑みにしたわけですが、私(記者)が訪れた先には思いがけない出来事が待ち構えていたのでした……。
まずはハマムってどういうとこなの? というところから、レポートしていきましょう。
【ハマムとは?】
早い話が岩盤浴ですが、現地の人々にとっては社交の場でもあるようです。ハマムは中東地域のイスラム圏で見られる風習で、自由に外出をする機会の少なかった当時の女性たちにとっての憩の場だったそうです。なかには息子の嫁候補を物色しに来るおばちゃんも少なくなかったとか!
【ハマムの楽しみ方】
個室ロッカーで服を脱ぎ、水着を着用するか裸にバスタオルを巻いて浴場へ。浴場に設置された蛇口のお湯を洗面器に注ぎ、まずは体を洗います。その後、中央部の暖かい大理石に横たわり、ゆったりとした時間を楽しみましょう。浴場は蒸気ムンムンのため、10分もすれば汗がじわじわ。20分ぐらい暖まったところで、垢擦りをしたい人は垢擦り部屋に向かいます。
ここで待ち構えているのが垢擦り師のおばちゃん(おじちゃん)。頭からつま先まで、それはそれは丁寧に、ゴシゴシゴシゴシ。あまりの力強さに驚いてしまうかもしれません! ハマムの料金はイスタンブールの観光地だと、入浴と垢擦りで3000円前後のところが多いようです。
垢擦り後はマッサージをしてもらったり、浴場に戻って大理石に寝転がってリラックスしたり。心地よい暖かさが眠気を誘い、確かにここまでは極上気分……。
【待ち受けていた悪夢】
通常はこのあと、ロビーで寛ぎながらお茶やお菓子を味わって解散となるわけですが、記者は取材のため、受付のおじちゃんに色々と質問をしてからホテルへ戻る計画を立てていました。
「まぁ、ここに座って、ラキでも飲みながらゆっくり話そうじゃない」と、おじさんが透明の液体をグラスに注ぎ始めました。ラキというのはブドウを原料としたトルコの地酒で、アルコール度数はウォッカやラム酒に匹敵する強いもの。透明なラキを水で割ると、乳白色に変化するため「ライオンのミルク」という別名もあるそうです。
ハードリカーは苦手なのですが、せっかくなのでいただくことに。甘い口当たりで、すんなり飲めちゃうことにビックリ!
グラスが空いてはおじさんが注ぎ足してくれるので「飲まないと悪いかな」と思い、3杯飲んだところで頭がぽーっとしてきました。取材も済んだため、滞在先のホテルへ帰る旨を伝えると「今はハマムに誰もいないから、ゆっくり入っていったらどう?」とのお誘いが。
愚かな記者は、ほろ酔い気分も手伝い「ハイ」と答えてしまったのでした。
この結果、記者は散々な目に合う羽目に。なんとおじちゃんまでパンツ一丁でついてきたのであります! ぼーっとしていた記者はどういうわけか裸になり、おじさんに背中を流される有様……。プライベートな部分を触ってきたところで、意識が戻りました。
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今思い返して見ても、恐しい出来事です。もしかしたら強姦されていたかもしれない、と思うとゾッとします。聞くところによれば、このような被害に遭う日本人女性は少なくないのだそうです。心細いひとり旅の途中、誰かに優しくされると心がほわっとしてくるもの。でもその優しさが下心だったり、詐欺だったりしたら……。
【女性だけの海外旅行は、本当に気をつけて!】
世界を旅している記者でも、こんな目にあったのは初めてのことなのです。だからこそ、ひとり旅を計画している女性のみなさんには気をつけてもらいたいと思います。本当の意味で「極上気分を味わう」ためにも、 トルコでハマムを選ぶ際にはホテルに付いているところにするか、名の知れているところにしてくださいね。
ちなみにハマム体験の結果はどうだったかというと……冷や汗をいっぱいかいたせいか、お肌がツルツルになりましたよ。
取材・撮影・執筆=sweetsholic (c)Pouch