生まれたばかりの赤ちゃんを両親が抱きしめて祝福する――それはこの世でもっとも素敵で幸せな瞬間のひとつ。けれども、両親がふたりとも男性であったなら……その場面を見たとき、私たちはどう思うでしょう?
今回、海外サイト「ELITE DAILY」からご紹介するのは、ゲイのカップルが生まれたばかりの赤ちゃんを抱きしめているという写真。
実はこの赤ちゃん、れっきとした彼らの子ども。このショットが現在、世界中の人たちの心に感動を呼んでいるんです。
マイロと名付けられたこの男の子の両親は、写真にも写っている男性ふたり。カナダのトロントに住むゲイカップル、BJバローネさんとフランキー・ネルソンさんです。
もちろん、彼らが同性婚していたとしても妊娠・出産だけは男性ができるものではありません。マイロを産んだのは代理母。出産時、分娩室ではバローネとネルソン、代理母の夫と助産師二人による立ち会いのもと、代理母の女性はお産に挑んだそう。
出産が終わると、これから親となるバローネとネルソンは服を脱いで裸に。そして生まれたばかりの我が子と最初の抱擁を交わしたのです。
彼らが裸になったのには意味があって、それは「カンガルーケア」のため。母親と肌を合わせるカンガルーケアは、肌のぬくもりや心臓の音を赤ちゃんに伝えることで、ストレスレベルを減少させ赤ちゃんの心を落ち着かせる効果があるとされているとか。
そんなカンガルーケアの瞬間をとらえた写真を撮影したのは、同じくカナダの写真家、リンジー・フォスターさん。彼女のFacebookにアップされた写真には、5万件以上の「いいね!」がされ、1万件近くのシェアがされています。賛否を含め、それだけ多くの人がこの一枚に心を動かされたといえます。
この写真ページを通じて、バローネとネルソンのカップルはこんなメッセージを書き込みしています。
私たちは美しく健康な男児を持つことができ、とても幸運です! コメントはすべて尊重しますが、否定的なものには賛成しかねるかもしれません。これは純然たる愛と承認の瞬間です。マイロは無条件の愛につつまれ、さまざまな異なる種類の家族を知りながら成長することで、すべての人を受け入れるようになることでしょう。
そして、最後にはこう結んでいます。
愛には、肌の色も性別も性的嗜好も何もない。愛は無条件です。
記者のほうで調べたところ、カナダで同性結婚が合法化したのは2005年7月。中でもトロントはとりわけ同性愛者に寛容な土地で、ゲイ、レズビアンカップルによる同性結婚は当たり前、代理出産などで子どもをもうけて育てるカップルも多数いるそう! 同性カップルによる結婚だけでなく出産・育児までもがここまでオープンに受け入れられ、代理母がこんなにポジティブな形で機能しているということには本当に驚かされます。
日本でこのような出産が行われ、こうした写真が公開されるようになる日はいつか来るのでしょうか? 偏見を持つ人々も多いかと思いますが、これからマイロ君が愛情深い両親のもとですくすくとすこやかに育ちますように!
参照元:ELITE DAILY、Facebook
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch
▼父親ふたりが初めて我が子を抱擁した瞬間をとらえた写真