諏訪綾子《Scent of woman》 2014 Photo: Hiroshi Iwasaki
+ ウシ頭骨 東京大学総合研究博物館
怒ったり、泣いたり、笑ったり……一日の中でもクルクルと感情が目まぐるしく変わるのが女子というもの。だけどもし、いろいろな感情そのものに“味”があるとしたらどんなかしら?
そんな空想が広がりそうな、ワクワクするプログラムが現在、石川県の金沢21世紀美術館で開催されていると聞いた筆者。好奇心を抑えきれず、体験してきちゃいました!
「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム フードクリエイション+東京大学総合研究博物館」と題された展示は、これまで美術館ではあまり扱われてこなかった“あじわい”にフィーチャーしたプログラム。国内外で活躍するフードアーティスト、諏訪綾子さんが主宰する「フードクリエイション」と東京大学総合研究博物館が協力しています。
「好奇心の小部屋」なる展示室に陳列されているのは、約1000個のガラス瓶。中には“テイストハンター”と呼ばれるプログラムメンバーたちが県内で集めた海藻や野菜など、さまざまな「好奇心の食材」が入っています。その空間は、さながらスタイリッシュな実験室のよう。ガラス瓶に収められた一つひとつの食材の色や形の美しさが、人々の目を捉えて離しません。
Photo: KIOKU Keizo
さらに興味をそそられるのが、展示室で行われる「あじわいの体験」。フードクリエイションが感情や感覚を“あらたなテイスト”として表現したものを、参加者が実際に味わうことができるんです。
ちなみに筆者が参加した日に提供されたのは“涙のテイスト”と“後からこみ上げる悔しさと怒りの涙のテイスト”、“誇らしさと隠しきれない嬉しさの涙のテイスト”の3種類。
まるで儀式のような調合作業に立ち会った後、どんな味がするのか見当もつかないものを口にするのは、とてもスリリング。「このピリッとした刺激が悔しさを表現しているのかしら?」などと考えながら、味わうことにのみ集中するという貴重な経験ができました。
Photo: KIOKU Keizo
「あじわいの体験」は、すでにシーズン1・2は終了しているものの、シーズン3が9月6日~28日まで開催される予定とのこと。毎回定員は18名のみなので、特に遠方から行く方は、当日の動きをよくチェックすることをおススメします。
また、今年10周年を迎える同美術館の開館記念日、10月9日を中心にさらにプログラムは盛り上がる模様。10月4日~13日まで、さらにいくつもの「好奇心の部屋」が出現し、毎日どこかの部屋でテイスティングかフルコースが味わえるゲリラレストランが開催されるそうです。
特に、10月12日に催される「ゲリラレストラン in ナイトミュージアム」は現代美術館ならではの、アーティスティックで非日常感にあふれたイベントになること間違いなし。ぜひぜひ詳細をチェックしてみてください‼
「ゲリラレストラン at ISETAN」 2014
Photo: IDA Munehide
(c) SUWA Ayako / foodcreation
画像・参照元:金沢21世紀美術館
撮影・執筆=沢野ゆうこ©Pouch