今回ご紹介したいのは、いまにも動き出しそうな、躍動感あるガラスのアート作品。作者は米国のアーティスト、Shayna Leibさんです。
スキューバダイビングをこよなく愛すというShanyaさんが、海の神秘からインスピレーションを得て作り出したというこの作品シリーズのタイトルは「Wind & Water」。
「風や水は本来、色や形を持たないけど、自然に動きをもたらすことでその存在を示している」と自身のサイトに記しているShanyaさん。
確かに、私たちは、海藻が水中でゆらぐ様子や、草が風にそよぐ様子を目にすることでそれらの存在を無意識に感じ取っているもの。そんな、普段は気に留めることのない自然の美しさが、海の生物をイメージさせるフォルムのガラスで表現されています。
一つひとつのガラスのパーツを熱して形づくるところからスタートするため、完成までに長い時間と忍耐力を要するという本作品。緻密な作業によって仕上がった作品はどれも繊細で、時間を忘れて眺めていたくなるようなものばかりです。
「Wind & Water」シリーズは、「草原」や「寒風」「熱風」などのテーマに分かれていて、例えば「海流」のカテゴリーにある作品には「親潮(Oyashio)」や「対馬(Tsushima)」など日本人になじみのあるタイトルも付けられています。
吸い込まれそうになるほど美しいけれど、どこか人を寄せ付けないような空気を醸し出している同作品。それは、時に人知を超える威力を振るう、風や海を表現しているからなのかもしれません。
時が止まったかのように感じられる作品の数々をぜひご覧ください。
参照元:Shayna Leib
執筆=沢野ゆうこ(c)Pouch