[すぼら栄養士の15分ご飯]シリーズでは、ずぼら栄養士を自認する川村郁子さんとともに考案した、作業時間15分かつ女性にうれしい栄養素がたっぷりのレシピ記事を紹介しています。
もう正月ボケとか言っていられない時期になりましたが、みなさん調子はいかがですか? 仕事は忙しいし、新年会があったり寒かったりで、胃が痛かったり腸の調子が悪かったりする人も多いのでは? 特に胃が痛いと何を食べたらいいかわからないですよね。
そんな時はリキッディ! 「リキッディ」って知ってますか? 流動食のことですよ。病院の管理栄養士として本物の流動食を作っていた経験もある川村郁子さんが、胃に優しく整腸効果も期待でき、簡単に作れて満足感たっぷりの流動食=リキッディのディナーを考えてくれました。今回のディナーは人参とみかんの甘酒スムージーと葉野菜のポタージュのリキッディセットです。
■川村郁子さんによる、今回の献立のポイント!
・ 腸内環境を整え、ポッコリお腹対策ができる食物繊維(れんこん、白菜、小松菜、にんじん、甘酒)
・ 腸内環境を整え、ポッコリお腹対策ができるオリゴ糖(甘酒)
・ 腸内の筋肉の動きを促進させ、蠕動運動を活発にするカリウム(小松菜、白菜、にんじん)
・ 腸内で良い働きをする善玉菌を増やす乳酸菌(味噌、甘酒、ヨーグルト)
・ 胃の粘膜細胞を正常な状態に保ち、潰瘍を修復するビタミンA、βカロテン(にんじん、小松菜、みかん)
・ 胃の粘膜を保護するムチン(れんこん)
・ 消炎作用、抗胃潰瘍作用があるタンニン(れんこん)
甘酒は「飲む点滴」と言われるほどビタミン類も豊富で美容にもいいんです。取り入れやすいこの時期に甘酒生活をぜひ初めてほしいので、今回のレシピに入れました。
では、さっそく作り方を紹介します!
■作り方!
【材料(2回分)】
<葉野菜のポタージュ用>
・ 白菜 1/2枚
・ 小松菜 2茎
・ れんこん 1/4個
・ マッシュルーム(きのこ類) 4個
・ 玉ねぎ 1/4玉
・ オリーブオイル 大さじ1
・ コンソメ 小さじ1.5
・ 味噌 小さじ1
・ 水 200g
・ 豆乳(牛乳でも可) 100g
・ コショウ お好み
・ バケット お好み
<人参とみかんの甘酒スムージー用>
・ 人参 半分
・ みかん 1個
・ 豆乳(牛乳でも可) 100g
・ ヨーグルト 大さじ2
・ 甘酒 大さじ2
甘酒には酒粕から作ったものと米麹から作ったものという、2つの種類があります。酒粕から作ったものだとアルコール分も少し残っていて砂糖を加えていますが、米麹から作ったものはノンアルコールで砂糖は加えてありません。砂糖が多いとお通じにはよくないため、米麹から作ったものがおすすめです。
【作り方】
1. ポタージュ用の野菜、スムージー用の人参は乱切りにする。今回、小松菜は冷凍しておいたものを使いました。
2. 鍋にオリーブオイルを入れて、野菜を加えて炒める。
3. 野菜に軽く火が通ったら、水を加えて煮る。
4. みかんの皮をむき、人参と豆乳、甘酒、ヨーグルトとともにミキサーにかける。
5. 3が煮立ったら、味噌とコンソメ、胡椒で味を整え、豆乳を加えて一煮立ちさせる。
6. 5をミキサーにかけてポタージュにする。
以上!
味噌のポタージュというと不思議な感じですが、これがとっても合うんです! 刺激が少ないほっこり温かいポタージュで、心までほぐれてしまいそう。
◼︎もっと応用テク
今回、ポタージュには上記の野菜を入れましたが、「すべて揃えなくちゃ!」とマジメに考えすぎずに、冷蔵庫に転がっている野菜を使うぐらいの気持ちで取り組んでみてください。胃腸を痛めたからリキッディを作るのに、一生懸命になりすぎてストレスが溜まったら、もっと胃腸が悪くなっちゃいますよ!
また、以前に「野菜を上手に冷凍して、時短料理に活用しちゃおう。 冷凍すると栄養価がアップする野菜もあるよ!」という記事でも紹介しましたが、今回のポタージュに使った野菜は全部冷凍保存できるものばかり。時間のあるときに切って冷凍しておくと、いつでもリキッディが簡単に作れちゃますよ。
胃腸が痛かったり、おなかぽっこりだったりすると、なんとなく気分も暗くなってしまうもの。そんなときはリキッディ=流動食で体をいたわってくださいね。
撮影・調理・取材協力=川村郁子さん
撮影・調理・執筆=FelixSayaka (c)Pouch
▼腸の蠕動運動が活発になって喜ぶ川村郁子先生▼